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論文登録用カテゴリ – 遮熱塗料・断熱塗料「ミラクール」販売|株式会社ミラクール https://miracool.idosense.dev 断熱塗料、遮熱塗料のミラクールは道路や外壁、屋上、タンク、車両などあらゆる場所で効果を発揮 Thu, 25 Feb 2016 08:20:06 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.1.10 17.ダンス練習場の暑熱環境改善の一事例 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis17/3088/ Sun, 18 Jan 2015 05:28:57 +0000 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis17/3088/ 続きを読む ]]> Improvement of heat environment of a gymnasium designed for danse lessons

(平成22年12月3日受理)

  • 伊藤 武彦、TAKEHIKO ITO *1
  • 鈴木 久雄、HISAO SUZUKI *1,2
  • 加賀 勝、MASARU KAGA *2
  • *1 岡山大学大学院教育学研究科 〒700-8530 岡山市北区津島中 3-1-1
  • Graduate School of Educasin, Okayama University, 3-1-1, Tsushima-Naka, Kita-ku, Okayama City 700-8530 Japan
  • *2 岡山大学スポーツ教育センター 〒700-8530 岡山市北区津島中 2-1-1
  • Interactive Sports Education Center, Okayama University, 2-1-1, Tsushima-Naka, Kita-ku, Okayama City 700-8530 Japan

Abstract: Nowadays, we experience severe hot climate during summer. Ambient temperature and wet bulb globe temperature(WBGT) in our gymnasium designed for dance lessons exceeded exposure limits of both school health and industrial health. Such environment was our direct concern for risk of heat related disorders among students, guests and staffs using facility. The building was old, and heat insulation seemed to be insufficient compared to recent standards for the building of the same kind. Introduction of a new air conditioning system to the facility was supposed reflex the solar infrared irradiation and block the heat influx, thus lowering the ambient temperature inside the gymnasium. The renovation of the roof resulted in improved ambient temperature and WBGT. We concluded that application of high-albedo paint might be a useful technique to control high ambient temperature in similar buildings and to reduce risk of heat related disorders.

Key words:high-albedo paint, wet bulb globe temperature heat stroke.

1. 緒言

体育館のような屋内運動施設は直射日光がために、屋外よりも安全と感じられる場合もあるが、実際には実施される種目により閉め切って使われるなど、気温やWBGTが思いのほか高くなる場合がある[1,2]。卓球やバドミントンなど気流を制御したい場合や、ダンスの様に音楽を併用する為に、周囲の教室等の静隠を保ちたい場合などがその例である。実際の測定例に関する報告をみると、屋内運動施設は熱中症発生リスクをむしろ考えるべき施設である。

教育学部が管理する体育棟2階に設置されているダンス練習場の暑熱環境は改善を要する箇所として認識されてきた。このダンス練習場は、教員養成における必修科目の一つであるダンスを教授するために必要な空間であり、昭和54年度の竣工以来、それを主たる用途として維持されて来た。また、資格認定試験、免許更新講習など、学外に開かれた行事を開催するもにも活用されている。さらに、課外活動の場としてダンス部が使用している。このようにダンス練習場は本学の教育・研究活動や社会貢献活動に広く使用される場である。

大学に対しても学校保険安全法が適用されるので(同法第二条)、学校環境衛生の基準(同法第六条およびそれを根拠とする文部科学省令)も適用されている。体育館など屋内運動施設は「教室等」に該当することから、気温や湿度については明確な基準がある。また、教職員が業務としてダンス練習場を使用する場合は、あわせて労働安全衛生法が適用されると考えるべきである。そうであれば、暑熱環境に対する適切な作業環境管理が必要である。実際、教員やティーチングアシスタントの聞き取りによれば、室内の気温の高さが尋常ではなく、授業中に集中力が続かなかったり、あるいは気分不良を訴えたりする学生もあり、また担当教員自身も教授すべき内容をすべて遂行することは熱中症発生の危険を考慮し困難であると考えていた。さらに、連続する授業の場合は、暑熱曝露による担当教員自身の身体的負担を自覚していた。

そこで、伊藤らが開発して使用して来た湿球黒球温度(wet bulb blobe temperature; WBGT)の自動測定記録装置[3]をダンス練習場に設置し、簡易に環境測定と評価を行った。その結果、熱中症予防の観点から迅速に対応をとるべき事例と判断されたため、教育学部とスポーツ教育センターが協力してダンス練習場の暑熱環境の改善に取り組んだ。具体的にはダンス練習場の屋根に遮熱塗料を塗る修繕工事を実施し、暑熱環境の緩和を図った。本稿は今回経験した事例を報告するとともに、若干の考察を加えたものである。

2. 対象と方法

2.1 対象となった施設の概要

今回暑熱環境改善のための取り組みの対象となった建物は、昭和53年に「教育学部校舎新営その他工事」の中で体育棟2階として設計され、昭和54年に竣工している。ダンス練習場(図面ではダンスレッスン場)は体育棟2階の西側に位置し、東西16.0mx南北13.5m(但し壁の厚さ等を含む)で、天井の高さは3.5mである。設計図面を見ると床については「鋼製床組コンパネ暑さ 12mm捨貼、サクラフローリング厚さ 15mm、ポリウレタン塗仕上げ」、壁については「ラミンフローリング厚さ 15mm」、天井については「ロックウール吸音板厚さ 12mm」と記載されている。床は、コンクリート面から高さ30cmになるように支えられた作りになっている。

窓は北面、南面の両面に配置されている。また換気扇も南北両面に3基ずつ設置されている。しかし、竣工当時の窓には網戸は設置されていない。

屋根は長尺カラー亜鉛鉄板 折版構法(高さ175mm, 厚さ0.8mm, 断熱材厚さ4mm)で葺かれている。屋根の大きさは20.3mx15.5m(面積314.7㎡)であり、屋根と天井の間隔は概ね70cmである。、あた屋根の地上高は8.8mである。

2.2 施工の内容

ダンス練習場の屋根への遮熱塗装工事は平成22年8月9日〜11日に行われた。塗装をする屋根は経年変化により、錆の発生を含めて劣化が進んでいたために、必要な補修(谷樋清掃、既存パテ回収、素地調整、高圧洗浄、凹部に鉄部用パテ処理など)を行った。その後に防錆プライマー塗装(変性エポキシ樹脂防錆塗料2液型)を行った。中塗材にはミラクールSⅡプライマー(2液型)、上塗材にはミラクールS100(2液型、クールホワイト)を使用した[4]。なお、この工事に続くほぼ同じ時期にダンス練習場の全ての窓に網戸を取り付ける工事を行った。

2.3 施工前後の計測

WBGTの自動計測記録装置は、ダンス練習場の内部の北側の壁(高さ2m)に設置し、この装置を使って、10分間隔で乾球温度、相対温度、黒球温度を測定した。WBGTは屋内の定義式に従って、

WBGT=0.3x黒球温度+0.7x湿球温度 で計算した。

同様の測定装置は、サッカー場や剣道場にも常設しており、ダンス練習場の測定と同じ時刻の測定値を参照することができたので、これから得られたデータとダンス練習場のそれとを比較して、今回の取り組みの効果について検討した。

3. 取り組みの結果

図1に遮熱塗料を塗る工事の施工日(8月9日〜11日)を挟んだ前後約一週間のダンス練習場内と剣道場内の気温(乾球温度)の推移を示した。

Ambient temperature in the gymnasium for dance lessons and Kendo gym.

Fig. 1 Ambient temperature in the gymnasium for dance lessons and Kendo gym.

夏期休業中のために閉め切っていたこともあるが、典型的には8月2日にみられたように、室温が40℃を越える場合が観察された。剣道場は新規に増築された部分で、平成22年度から使用を始めており、断熱材の使用などは最新の基準によって施工されている。一方、ダンス練習場は、体育棟が竣工した昭和50年代の基準によって施工されており、老朽化している。遮熱塗料を塗る前の気温の比較では、剣道法の方が最高気温が低く、日周変動が小さく、気温の変化は平滑であった。遮熱塗料をした後では、ダンス練習場は、剣道場よりは日周変動は大きいものの、最高気温が低下するなど、屋根の温度の上昇や貫流熱による室内の温度上昇の抑制が観察された。

図2に、図1と同じ期間のダンス練習場と剣道場のWBGTの推移を示した。

WBGT in the gymnasium for dance lessons and Kendo gym

Fig.2 WBGT in the gymnasium for dance lessons and Kendo gym

日本体育協会ではWBGTが31℃以上の場合を「原則運動中止レベル」、28℃以上31℃未満を「厳重警戒レベル」としている。施工前には、ダンス練習場ではWBGTが運動中止レベルである時間帯がみられたのに対して、剣道場では、そのような時間帯はグラフの範囲内では存在しなかった。施工後は、ダンス練習場のWBGTの最高値が依然として31℃を超えた日があったものの、剣道場のWBGTに接近する傾向が観察された。

図3に図1と同じ期間のダンス練習場とサッカー場(屋外)の気温の推移を示した。遮熱塗装後はダンス練習場内の気温がサッカー場の気温に接近していた。

Amnient temperature in the gymnasium for dance lessons and Soccer field

Fig. 3 Amnient temperature in the gymnasium for dance lessons and Soccer field

4. 考察

改善工事の施工前の測定ではダンス練習場内の気温(乾球温度)が「学校環境衛生の基準」が定めている「30℃以下」を大きく上回っていたことから、学校保護安全法にもとづいて事後措置をとる必要があると考えられた。また、日本体育協会が推奨する熱中症対策のためのリスク指標であるWBGTも運動中止レベルである31℃を遙かに越えるときがあり、運動をおこなう施設として適切な環境を確保すべき状態にあった。

ダンス練習場では、上述のように暑熱環境の問題が以前より存在しており、これまでに製氷機など設備の充実や熱中症予防のための学生へ指導など学校保健上の各種配慮がなされてきた。しかし、学校保健の目的は「学校教育の円滑は実施とその結果の確保に資すること」であり、学生が安全・快適に授業を受けられるようにするためには、今回行ったような授業環境そのものを改善する試みも必要と考えられた。

実施した対策の結果を見ると、依然として気温は30℃を超えていたが、新しい基準で作られている屋内運動施設である剣道場の気温との差が小さくなっていた。WBGTについても、ピークでは運動中止レベルになった日があるが、気温と同様に剣道場の測定結果に接近している。また、施工後は屋外の気温とダンス練習場内部の気温が接近している。屋外の気温がピークとなる時刻をすぎてから屋内の気温が高めに持続する一般傾向はあるが、屋根等からの貫流熱が少なくなった状況下では、換気によって室温を外気温に近づけることが可能である。

しかし、現実には音漏れのほかに、夕方以降の蚊などの衛生害虫の侵入を避けるために窓を開けられずにいたことを聞き取っており、施設使用の実情に合わせた対策も必要であった。そこで今回はすべての窓に網戸を取り付けたが、以前より換気が容易になったと思われる。将来的には、さらに換気効率を上げるような工学的な対策も視野に入れてよいであろう。

産業保健の観点からみれば、授業実施社が自らも熱中症になるかも知れないと感じるほどの環境が、比較的運動量が大きいダンス競技という身体活動と共存することによって熱中症のリスクが高まることが考えられた。このような場合は、まず作業環境測定によってWBGTを測定・評価し、作業環境におけるリスク評価をするとともに、それにもとづいて工学的な措置によってリスク低減を図ることが適切である[5]。今回の対策によって、一定のリスク低減を行うことができたが、従来から行って来た授業内容の変更・運動時間の短縮、飲水や塩分補給、涼しい場所の確保などの管理的方法も一層充実させるとともに、労働衛生教育(学生に対しては学校保護教育になる)を徹底することが熱中症予防のために今後も必要である。

今回、ダンス練習場の暑熱環境管理の具体的選択肢として検討した方法は、空調機の新規導入、断熱材の補強および屋根への遮熱塗装であった。しかし、学内外で推進されている省エネルギー政策に従えば、断熱性能が十分でない建物に対する新たな空調機導入は避けるべきものと考えられた。また、仮に空調設備を新たに設置するにしても、それを維持するための十分な容量を持った電源設備を新たに確保する必要があった。断熱材の補強についても、今回は現実的な方法とは考えられなかった。遮熱塗料については、高アルベド塗装の性能向上にともなって、種々の対応例が報告されている[6,7]。今回のダンス練習場内の温度上昇は、屋根への太陽の放射が室内への熱貫流となっているものとかんがえられ、遮熱塗料によって赤外線を効率よく反射するとともに、塗装面の放射係数を改善することによって屋根の表面温を下げ、熱貫流を減少させることが期待された。実際得られた測定結果を見ると、遮熱塗装後は気温及びWBGTの低下が観察され、熱貫流が抑制されたと考えられた。

遮熱塗装は、屋根等塗装面の表面温度を抑制する効果があり、近年は道路面についても応用されている[8]。広い範囲の遮熱塗装によって昼間の温度上昇を抑制することができれば、ヒートアイランド化の抑制に役立つことが考えられる[7,9]。また、建物など構造物単位でみても、熱貫流が抑制することができれば、既存の空調設備の負荷を減少させうることから、省エネルギー政策や地球温暖化防止の為に有効であろう。

今回のとりk見は比較的小さい施設に限った対策であったが、一般の校舎等の大きい施設の屋上を遮熱塗装し、最上階の居住環境を改善するとともに冷房時の負荷を軽減して省エネルギーを推進する取り組みも可能である。そのような取り組みを実現するためにも、今回の経験が役に立つことを願っている。

5. 結論

  1. (1)屋内運動施設であるダンス練習場の夏季の暑熱環境を改善するために、屋根に遮熱塗料を塗り、窓に網戸を取り付ける改修を実施した。
  2. (2)改修前には学校保健安全法の学校環境衛生の基準を10℃程度上回っていた最高気温が、同じ時刻の本学サッカー場の気温とほぼ同等レベルまで改善した。熱中症発症のリスクを示すWBGTについても、日本体育協会の提唱する「原則運動中止基準」をしばしば上回っていたが、回収後は昨年度竣工した剣道場のWBGTに接近していた。
  3. (3)今般の改修によって、ダンス練習場の暑熱環境は改善された。しかし、施設内環境を制御しきれない部分は残っており、今後も水分・塩分補給の指導や運動実施上の諸注意など、学校保健および労働安全衛生上の一般的な配慮は必要である。
  4. (4)今回の事例は、比較的小規模の施設で暑熱環境の改善を図った例であるが、校舎等のもっと規模が大きい施設の屋上等に同様の改修を行うことにより、居住環境の改善や省エネルギーを推進する取り組みを行うための参考となる事例と考えられた。

  1. [参考文献]
  2. 1う府木薫、文谷知明、屋内体育施設における7・8月期の環境温度の実態、川崎医療福祉学会誌、19, 185-188 (2009)
  3. 2)伊藤武彦、熱中症を科学する、日本養護教諭教育学会誌 12,129-133(2009)
  4. 3)伊藤武彦、三村由香里、鈴木久雄、熱中症予防対策のための湿球黒球温度の簡便な自動測定記録装置、岡山大学大学院教育学研究科研究集録 140,1-5(2009)
  5. 4)深江典之、「ミラクール」シリーズの特徴、塗装技術、47, 88-91(2008)
  6. 5)中央労働災害防止協会、労働衛生のしおり 平成21年度版、pp108-112(2009)
  7. 6)源島弘之、赤外線反射コーティング、桐生春雄、三代澤良明 監修、特殊機能コーティング技術、シーエムシー出版 pp56-68(2007)
  8. 7)和田英男、高反射率塗料のJIS化と開発動向ー高反射率塗料市場の健全な発展ー、塗装技術 48, 94-98
  9. 8)宮下昌訓、篠原雅之、建築容赦熱・断熱塗料と道路用遮熱塗料について、塗装技術 47, 94-98(2008)
  10. 9)和田英男、高反射率塗料によるヒートアイランド対策と、日射反射率測定法のJIS規格化について、塗装技術 47, 57-63(2008)

[謝辞]
今回の取り組みは岡田雅夫理事、安全衛生部の皆様、教育学系事務部の皆様のご助言とご尽力によって実現することができました。ここに謝意を表します。

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16.USE OF SOLAR HEAT-BLOCKING PAVEMENT TECHNOLOGY FOR MITIGATION OF URBAN HEAT https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis16/2848/ Sat, 17 Jan 2015 06:54:55 +0000 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis16/2848/ 続きを読む ]]> M.IWATA, T YOSHINAKA ,S.OMOTO & N.NEMOTO

Research Institute, NIPPO Corporation, Japan

  • iwata_masahiko@nippo-c.jp
  • yoshinaka_tamotsu@nippo-c.jp
  • omoto_shinobu@nippo-c.jp
  • nemoto_nobuyuki@nippo-c.jp

ABSTRACT:
In recent years, increased concern about global warming and climate change has made it desirable for roadwork engineers to tackle environmental issues. In addition, there are also concerns that the emerging environmental issue known as the “urban heat island” phenomena, which significantly affects pedestrians as well as asphalt surfaces, may be associated with paved roads in urban areas. In order to tackle this problem from a paving perspective, solar heat-blocking pavement technology was developed to achieve the following benefits: a reduction in surface temperature, and mitigation of urban heat. This paper describes the environmental and practical effects of this technology through its development and application, with the following conclusions being drawn from this study. With regard to the temperature, field results show that the reduction in surface temperature through use of the solar heat-blocking pavement is approximately 16℃. In terms of serviceability, its application to airport taxiways reveals that this technology effectively curtails rutting, since the rut depth is reduced to about half, compared to dense-graded asphalt surfaces. Finally, computer simulation results indicate that solar heat-blocking pavement is likely to be useful in mitigating the “urban heat island”effect, since atmospheric temperatures can be decreased by 0.8℃ in urban areas.

KEYWORDS: CLIMATE CHANGE; URBAN HEAT; HIGH ALBEDO; SUSTAINABILITY

1. INTRODUCTION

In recent years, the increase in temperatures during summer has become a serious problem in Japan. In particular, as the surface of asphalt pavements may reach 60℃ in summer, it is thought to be a factor in the “urban heat island phenomenon” which significantly affects the thermal comfort of pedestrians. In addition, high surface temperatures influence the performance of pavement surfaces, such as in terms of rutting, aging and fatigue [1]. Bearing in mind these problems, it can be said that a reduction in surface temperature has become an increasingly important issue, in terms of sustainability as well as the environment.

Past studies have indicated that making surfaces lighter to reflect both visible and infrared rays (i.e. sunlight) is the most practical way of mitigating road heat[2,3,4]. However, out of consideration for driver visibility, dark surfaces such as black or grey are preferable, since drivers are used to such surfaces. In addition, taking into account onsite workability during construction, surface treatment based on paint coatings is a practical way to handle the issue on existing surfaces. For these reasons, a new surface treatment technology called “solar heat-blocking pavement” is developed and applied in anticipation of reducing surface temperatures and mitigation of urban heat [5,6].

This paper highlights the basic concept behind the technology and addresses the environmental and practical effects through experiments and computer simulation.

2. SOLAR HEAT-BLOCKING PAVEMENT

2.1, Basic concept

The basic concept behind this technology is to coat the developed material onto the existing surface so as to enable reflection of the solar and infrared rays (see Figure 1 and Figure 2)[7]. The function of the material is based on higher reflectivity for near-infrared rays and lower reflectivity for visible rays. In general, reflectivity of solar and infrared rays is represented by “albedo” [8]. Higher albedo means that the pavement surface reflects infrared rays from the surface, whereas lower albedo indicates that the pavement easily absorbs infrared rays. Thus, a higher albedo surface is desirable to prevent heating, whereas a pavement surface with lower albedo would result in an increase in surface temperature. Therefore, a solar reflective pigment was developed to prevent absorption of infrared rays at the surface. Also, fine hollow ceramic particles are mixed with the materials. The details of the particles are described in the following section.

Solar Heat-blocking Pavement

Figure 1 - Solar Heat-blocking Pavement

Concept of Solar Heat-blocking Pavement

Figure 2 - Concept of Solar Heat-blocking Pavement

2.2, Properties of solar reflective pigment

In order to examine the albedo characteristics, a comparison was made between three surfaces: solar heat-blocking pavement, conventional pavement (i.e. dense-graded asphalt pavement) and normal paint material. The test was conducted in accordance with the Japanese standard, JIS A 5759 [9]. In this case, the color for both the solar heat-blocking pavement and the normal paint is grey, whilst that of the conventional pavement is black.

Figure 3 shows the comparison results. As shown in the figure, there are clear differences between the solar heat-blocking pavement and conventional painting materials. Conventional painting material has almost the same or a less reflective ratio across the entire wavelength. However, in the case of the solar heat-blocking pavement, the reflective rate for near-infrared rays in the wavelength is much higher than others. This indicates that the solar heat-blocking pavement has higher albedo, despite the fact that the normal paint material is the same color as the heat-blocking pavement.

Albedo characteristics of solar reflective pigment

Figure 3 – Albedo characteristics of solar reflective pigment Wavelength (nm)

2.3 Effect of fine hollow ceramic particles

As mentioned above, the solar reflective pigment itself can reflect solar radiation back into the atmosphere. However, there is some concern that the reflected solar radiation may heat surrounding buildings, which would not mitigate the urban heat island effect. Therefore, it is necessary for the solar reflective pigment to have recursive reflection properties.

The fine hollow ceramic particles enable the solar reflective pigment to have such function.
The particles have a spherical structure 5 to 150 μm in diameter (see Figure 4). By mixing the particles with the solar reflective pigment, recursive reflection properties were expected of the solar reflective pigment.

Gomado et al. investigated the recursive reflection property of Solar Heat-blocking Pavement [10]. They used artificial sunlight and a specific sensor which measures reflected near-infrared rays, and a series of experiments was conducted by changing the directions of the sunlight and sensor. As a result, it was proved that the near-infrared rays were reflected back in the same direction as those of sunlight. Although the effect of fine hollow ceramic particles was not directly investigated, the result may explain the recursive reflection property of the ceramic particles.

Fine hollow ceramic particles

Figure 4 – Fine hollow ceramic particles

3. LABORATORY EVALUATION OF SOLAR HEAT-BLOCKING PAVEMENT

In general, the performance of solar heat-blocking pavement depends on the state of the coated layer. Therefore, it is important to evaluate the performance of the coated layer before site application. This section describes the laboratory evaluation methods of solar heat-blocking pavement and its results, looking at six properties: surface temperature; skid resistance, stripping resistance, odor, weather resistance and permeability.

3.1 Laboratory lamp test

In order to investigate the reduction in temperature when using solar heat-blocking pavement, laboratory lamp irradiation experiments were carried out, as per the Japanese pavement performance reference [11]. The schematics and experimental results are shown in Figures 5 and 6.

In this experiment, porous asphalt mixture is used for both the solar heat-blocking pavement specimen and the conventional specimen. A special lamp with a similar wavelength to sunlight was used to evaluate the performance. The detailed experimental conditions are as follows:

  • ・Experiment temperature: 30°C (temperature control cabinet is preferable)
  • ・Lamp height: A height at which the surface temperature of the conventional specimen
    reaches 60°C in about three hours, is applied for the test.
  • ・Measurement method: Thermocouples are used to measure the surface temperature
Laboratory lamp test equipment

Figure 5 – Laboratory lamp test equipment

 

 Laboratory lamp test result

Figure 6 – Laboratory lamp test result

As can be seen from Figure 6, the results clearly show the difference between the two specimens. Although the result is necessarily the same as the site temperature, laboratory lamp tests are often used to confirm the performance of solar heat-blocking pigment before site application to predict the on-site performance.

3.2 Skid resistance

Skid resistance is a factor affecting the serviceability of pavement. It is also closely related to traffic accidents, especially in rainy days. Therefore, it is vital to ensure good skid resistance after coating with a solar heat-blocking pigment. In order to confirm this effect, the skid resistance of both coated porous asphalt and uncoated porous asphalt surfaces are measured using a Dynamic Friction tester. Tests were conducted as per ASTM E1911
[12]. The results are shown in Table 1.

Skid resistance result

Table 1 – Skid resistance result

From this result, it was found that the skid resistance values of the two surfaces are almost identical. However, as described in the following sections, nonskid sand is sprayed on immediately after the primary and secondary coating to ensure skid resistance. Therefore, it can be said that an appropriate amount of sand needs to be sprayed on to ensure the skid resistance.

3.3 Stripping resistance

Considering the service state, the coating layer of solar heat-blocking pavement should be strong enough and have good bonding to the original asphalt surface. In order to investigate these factors, laboratory stripping resistance tests were conducted. A schematic representation of the test equipment is shown in Figure 7.

Stripping resistance test (a) Schematic of the equipment, (b) Image analysis

Figure 7 – Stripping resistance test (a) Schematic of the equipment, (b) Image analysis

A test load was conducted, following laboratory stripping resistance test method for solar heat-blocking pavement material [13].Test load was applied to the specimen by turning the tires to left and right directions. A summary of the test parameters is presented below:

  • ・Loading condition: Turning the tire to the left and right direction
  • ・Test temperature: 20°C
  • ・Test load: 686 N
  • ・Number of cycles: 650 times

After the test, a digital image of the specimen’s surface was taken with a digital camera. Then, the stripping resistance of the solar heat-blocking layer is evaluated by computer image analysis which can record the stripped area of the surface. The result is shown in Table 2. Compared to the performance criteria set by one organization, the coated layer demonstrates strong adhesion to the existing surface. However, the stripping state depends on the original condition of the surface as well as the solar heat-blocking material.
Therefore, in practice, the stripping state needs to be evaluated in every construction job.

Stripping test result

Table 2 – Stripping test result

3.4 Odor

Solar reflective material contains Methyl Methacrylate (MMA) resin. If applying solar heat-blocking material in urban areas, there are some concerns that the smell of the material may affect people living nearby. Therefore, the emission of odors should be minimized as much as possible during construction.

In such case, a less odorous type of material (i.e. odor-reduced resin) can be selected as the solar heat-blocking material rather than conventional material. In order to evaluate this effect before construction, odor testing is conducted in accordance with laboratory odor measurement method [14]. The test equipment is shown in Figure 8.

”]Odor testing equipment

As can be seen in the above photo, solar heat-blocking material is set in the cabinet; the odor of the materials is measured using an odor sensor. The maximum value of the odor is recorded during the measurement. The detailed test conditions are shown below:

  • ・Air flow: 0.14 L/s (wind velocity: 0.2 m/s)
  • ・Test duration: 20 minutes
  • ・Measurement value: Odor level
  • ・Test temperature and humidity: 20°C, 50%
  • ・Specimen mass: 1.0 g

Table 3 shows the measurement results. These results clearly show the difference between conventional and odor-reduced materials. The odor level for the conventional material is about four times that of the odor-reduced type. Also, the odor-reduced material meets the requirements set by the organization. In addition, the same surface performance as conventional material has been confirmed for the odor-reduced material. Therefore, it is possible to construct solar heat-blocking pavement even in urban residential areas if the odor-reduced type of material is selected for the solar heat-blocking pavement.

Odor level of Solar Heat-blocking Material

Table 3 – Odor level of Solar Heat-blocking Material

3.5 Weather resistance

In order to confirm the weather resistance of the solar heat-blocking pavement, accelerated weathering tests, which simulate natural environmental conditions such as ultraviolet rays and rain in an enclosure, were carried out for 3,000 hours in total using cores taken from trial pavements. The tests were as per ASTM G-53 [15] and a series of experiments was conducted. In general, conducting an accelerated weathering test for 3,000 hours is equivalent to 12 years exposure on site. After conducting the QUV test, the solar heat-blocking pavement specimens were examined. Test conditions were as follows:

  • ・Test duration: 400 hours/time
  • ・Temperature: 60±3°C
  • ・Rain simulation: 18 minutes/120 hours
  • ・Rainfall pressure: 1.0 kgf/m³

Table 4 shows the results of the accelerated weathering test for the specimens. The results showed a good trend as the weather resistance ratio was approximately 94 percent after 3,000 hours. In addition, in terms of solar radiation, the solar reflective ratio, as per JIS A 5759 [9], was 48.1 percent. This was less damage than the initial condition recorded of 51.2 percent. Therefore, it can be said that the solar heat-blocking pavement affords good weather resistance.

Weather resistance of Solar Heat-blocking Pavement

Table 4 – Weather resistance of Solar Heat-blocking Pavement

3.6 Permeability

Porous asphalt surface has been the most popular type used in Japan. Considering the recent application of porous asphalt pavement, it is likely that solar heat-blocking materials will be applied to porous asphalt surfaces as well as conventional dense-graded surfaces. The advantage of the porous asphalt surface is that it reduces rain spray, in addition to cutting tire noise.

In terms of permeability, it was predicted that solar heat-blocking material would clog up the air voids of existing porous surfaces. Therefore, on-site permeability tests were performed to ensure the performance. The tests were conducted using a cylindrical tube filled with 400 ml of water. Then, the time taken for the 400 ml of water to flow was measured. The calculation procedure for the determination of permeability is as follows:

  • ・The tests are conducted three times;
  • ・The mean time for 400 ml of water to flow should be calculated;
  • ・The permeability of the asphalt mixture is determined by calculating the volume of water flow per 15 seconds.

Table 5 shows the test results for both normal and coated asphalt surfaces (i.e. porous asphalt with solar heat-blocking material). In terms of permeability, the normal porous asphalt surface drained at 1,222 cc/15 seconds, whereas the coated porous asphalt surface drained at 1,210 cc/15 seconds. This result suggests that the coated porous asphalt surface is permeable enough, even though the solar heat-blocking materials cover the existing surface. As a result, it is possible to apply solar heat-blocking material to porous asphalt surfaces since the coated surface satisfied permeability requirements.

Result of the permeability test

Table 5 – Result of the permeability test

4. APPLICATION OF SOLAR HEAT-BLOCKING PAVEMENT

4.1 Construction method

Solar heat-blocking pavements can be constructed by applying the developed solar reflective pigment to existing surfaces. In practice, MMA resin is used as the solar reflective material. The MMA type includes a two-component resin. The coating layer is about 1.0-mm thick and consists of three components: priming layer, secondary layer and nonskid sand (see Figure 9). Firstly, the priming layer is applied to cover the existing surface and to attach the ceramic particles to the surface; then the nonskid sand is sprayed on immediately after the primary coating to ensure skid resistance; and finally, the secondary layer is applied as the colored surface and to sandwich the nonskid sand. After curing for an hour, the site can be reopened to traffic. The coating work is normally performed with a specialist spray gun as shown in Figure 10.

Section of Solar Heat-blocking Pavement

Figure 9 – Section of Solar Heat-blocking Pavement

 MMA-type construction

Figure 10 – MMA-type construction

4.2 Effect of temperature reduction

In order to examine the effect of temperature reduction, conventional pavement (i.e. dense-graded asphalt pavement) and solar heat-blocking pavement were compared in the field. The traffic classification of the field is more than 250 and less than 1,000 vehicles/day for heavy traffic. Figure 11 shows the temperature of the two surfaces. It can be seen that the maximum surface temperature of the solar heat-blocking pavement was approximately 42℃, whilst that of conventional pavement was around 58℃; the difference between the two surfaces reaching about 16℃. Therefore, the result clearly shows the advantage of the solar heat-blocking pavement in reducing the surface temperature in summer.

Figure 11 – Effect of temperature reduction

4.3. Mitigation of rut depth

The performance of solar heat-blocking pavement was demonstrated in the field. However, considering its long-term performance and further improvements in the technology, it is necessary to examine its durability as well as the surface temperature under severe traffic conditions and prolonged periods. In order to investigate these effects, solar heat-blocking pavement was applied to the taxiway of an international airport (see Figure 12). Rut depth for the two surfaces (i.e. dense-graded pavement and solar heat-blocking pavement) was measured during regular monitoring.

Figure 13 compares the maximum rut depth of the two pavements during the four-year monitoring period. As can be seen from the figure, the solar heat-blocking pavement can reduce the maximum rut depth by half, when compared to that of dense-graded pavement.
As a result, a clear difference is evident between solar heat-blocking pavement and dense-graded pavement, in terms of rut depth. Therefore, it can be said that the solar heat-blocking pavement is an effective means of improving rut resistance [16, 17].

Application to an airport taxiway

Figure 12 – Application to an airport taxiway

Changes in the maximum rut depth over four years

Figure 13 – Changes in the maximum rut depth over four years (Hayakawa et al.)

4.4 Noise reduction

In the case of applying the solar heat-blocking material to the porous asphalt surface, there are also some concerns about noise reduction. This is because the materials may clog up the air voids in the porous asphalt surface. Therefore, tire noise measurements were conducted on the porous asphalt surface before and after coating with these materials. A schematic representation of the noise measurement is shown in Figure 14.

The noise from the surface is measured using a vehicle equipped with a microphone. The measurement was conducted at a speed of 50 km/h. Table 6 shows the results of the noise measurements. From these results, it was found that the existing porous asphalt surface reached 88.3 dB (A), whereas the porous surface coated by the solar heat-blocking material achieved 87.9 dB (A).

Figure 14 – Schematic of the noise measurement

Noise measurement result

Table 6 – Noise measurement result

Tomonaga et al. also conducted the same investigation and also recorded a similar result (see Table 6) [18]. As a result, it can be said that the porous asphalt pavement coated with solar heat-blocking materials retains its original performance levels, despite the materials being coated on top of the existing porous asphalt surface.

5. THERMAL SENSATION FOR PEDESTRIANS

5.1 Thermal sensation experienced by pedestrians

In order to investigate how solar heat-blocking pavement improves the thermal sensation, a comparative trial was conducted on a hot summer’s day when the external temperature ranged between 30°C and 35°C. Under these conditions, the unshaded pavement surface temperatures were found to vary by as much as 12°C.

Conventional pavement

Figure 15 - Volunteers in photographic image Left: Conventional pavement Right: Solar Heat-blocking Pavement

 Volunteers in thermographic image

Figure 16 - Volunteers in thermographic image (Surface temperature: Approx 38°C)

Figures 15 and 16 show the photographic and thermographic images of two similarly clothed men standing on a test bed of the two surfaces. Comparing the two images, it is apparent that the surface temperatures of the two pavements were significantly different.
As shown in Figure 16, the conventional surface is colored white in the sunny areas, which indicates a surface temperature of more than 51°C, whereas the solar heat-blocking pavement is a reddish-orange hue, representing a surface temperature of around 46.5°C.
The effectiveness of the solar heat-blocking pavement is evident from the thermographic image. Tomonaga et al. also conducted a similar investigation, and they also concluded that the heat radiated from the solar heat-blocking pavement is less than that from conventional porous asphalt pavement [18]. Therefore, it can be said that solar heat-blocking pavement contributes to an improved thermal sensation, especially around the feet.

5.2 Questionnaire for human sensation

A survey concerning human sensation was conducted. Six assessors (i.e. three males and females in their 20’s to 30’s, respectively) were chosen at random. Also, the assessors checked the sensation when standing on both conventional and solar heat-blocking pavement for three minutes, respectively (see Figure 17).
The ambient air temperature was approximately 35°C. Questions the assessors answered in the survey concerned the thermal impact around the body and feet, and how sweaty they felt. Summarized results from the questionnaire are shown in Figure 18.

For conventional pavement (i.e. dense-graded asphalt pavement), 35 percent of the assessors adjudged the surface to be “very hot”. Including those who answered “rather hot”, almost all assessors recognized conventional pavement as hot, whereas for the solar heat-blocking pavement, some assessors identified that surface to be “cool” or “rather cool”.

Experimental state for questionnaire

Figure 17 – Experimental state for questionnaire

Thermal sensation around feet

Figure 18 – Thermal sensation around feet

Figure 19 – Comfort levels

Figure 19 presents comparisons between conventional pavement and solar heat-blocking pavement from the questionnaire. From these results, 19 percent of the assessors judged conventional pavement as comfortable, while 62 percent of them considered solar heat-blocking pavement as comfortable.

Kinouchi et al. also investigated the impact on human thermal sensation using WBGT [8]. From their research, it was found that a high albedo pavement provides a more comfortable feeling than lower albedo pavement. Therefore, it can be said that solar heat-blocking pavement mitigates thermal sensation around the feet.

6. ENVIRONMENTAL EFFECT

6.1. Atmosphere

Although the surface temperature can be reduced by the solar heat-blocking pavement, it is difficult to verify how the pavement contributes to the reduction in atmospheric temperature in urban areas. In order to examine the influence of surface type on atmospheric temperature, laboratory tests were conducted. The conditions of the laboratory tests are shown in Figure 20.

In this test, a comparison was made between conventional pavement and solar heat-blocking pavement. The test was conducted by shining light as artificial sunlight onto slab-type specimens in a cabinet; both surface and atmospheric temperatures were measured simultaneously by thermo-couples. Figure 21 illustrates the relationship between temperature reduction and the test duration. As can be seen in the figure, the results clearly demonstrate the advantages of the solar heat-blocking pavement in terms of both surface temperature and atmospheric temperature. This demonstrates that the solar heat-blocking pavement is likely to be useful in mitigating the “urban heat island” effect.

    • Changes in atmospheric temperature by use of Solar Heat-blocking Pavement

      Figure 22 – Changes in atmospheric temperature by use of Solar Heat-blocking Pavement

      Computer simulation model

      Figure 23 – Computer simulation model

    • ・With regard to the performance of solar heat-blocking pavement, the surface temperature is reduced by approximately 16℃ compared to conventional dense-graded asphalt paving due to the prevention of solar radiation.
    • ・Solar heat-blocking pavement can effectively reduce rutting, as the rate (based on rut depth) was approximately half compared to the dense-graded asphalt surface used at an airport taxiway.
    • ・In terms of the thermal sensation for pedestrians, the results of questionnaires demonstrate that the solar heat-blocking surface contributes to improving the thermal sensation around their feet.
    • ・From the view of laboratory experiment, this technology would be highly effective in alleviation of “urban heat” since a comparison between conventional and solar heat-blocking pavements shows advantages both in surface and laboratory atmospheric temperatures.
    • ・With respect to computer simulations, the results indicated that solar heat-blocking pavement is likely to be useful in mitigating the “urban heat island” effect, since atmospheric temperatures can be reduced by 0.8℃ in urban areas.
  • Figure 20 – Laboratory tests on atmospheric temperatures(left: conventional, right:S.H.P.)


    Figure 21 – Environmental effects

    6.2. Computer simulation

    The effect of the solar heat-blocking pavement was shown through field experiments and application. However, it is difficult to verify how solar heat-blocking pavement may contribute to the reduction of urban heat wave. In order to investigate such effect, a computer simulation was conducted by Kinouchi et al. [19].

    In this simulation, it is assumed that solar heat-blocking pavement is applied to central Tokyo, and the albedo increases from 14% to 60%. A sunny day in summer is assumed. The ranges of temperature change are assumed to be 366 × 366 [km] as the main domain (Kanto area) and 114 × 114 [km] as a nest domain (center of Tokyo). The temperatures at a height of 1.5 m above the ground will be calculated.

    The changes in air temperature due to the use of solar heat-blocking pavement are shown in Figure 22. The result indicates that air temperatures in central Tokyo tend to decrease. Also, the air temperature is reduced by more than 0.8°C due to the reduction in surface temperature. Thus, this technology is highly effective at mitigating urban heat islands.

    In addition, calculations of sensible heat flux in the streets were carried out in case of increasing the surface albedo. In this case, the following condition was assumed for the simulation; air temperature is 35°C; wind velocity is 5 m/s; surface albedo is 0.1 and 0.5. The schematic of the simulation model is shown in Figure 23, and the calculation results were shown in Figures 24 and 25.

    As can be seen in the results, the amount of sensible heat in the streets, which heats the atmosphere, decreased due to the increased reflectivity. As a result, the reduction in air temperature in the streets improves the urban heat environment. There fore, it can be said that the effect of heat reduction is greater due to retro reflection.

    Change in albedo of all streets with time

    Figure 24 – Change in albedo of all streets with time

    Sensible heat flux from all streets

    Figure 25 – Sensible heat flux from all streets

    7. CONCLUSIONS

    This paper presents the development and application of solar heat-blocking pavement to mitigate urban heat. Based on the results of laboratory experiments, field applications and computer simulations, the following conclusions can be drawn:

    • ・With regard to the performance of solar heat-blocking pavement, the surface temperature is reduced by approximately 16℃ compared to conventional dense-graded asphalt paving due to the prevention of solar radiation.
    • ・Solar heat-blocking pavement can effectively reduce rutting, as the rate (based on rut depth) was approximately half compared to the dense-graded asphalt surface used at an airport taxiway.
    • ・In terms of the thermal sensation for pedestrians, the results of questionnaires demonstrate that the solar heat-blocking surface contributes to improving the thermal sensation around their feet.
    • ・From the view of laboratory experiment, this technology would be highly effective in alleviation of “urban heat” since a comparison between conventional and solar heat-blocking pavements shows advantages both in surface and laboratory atmospheric temperatures.
    • ・With respect to computer simulations, the results indicated that solar heat-blocking pavement is likely to be useful in mitigating the “urban heat island” effect, since atmospheric temperatures can be reduced by 0.8℃ in urban areas.

    Solar heat-blocking pavement has to be improved and enhanced to tackle global warming and climate change. However, considering the long-term durability and life-cycle costs of roads with solar heat-blocking pavement, there are still some concerns about the technology. Therefore, further research looking at these issues is needed to build sustainable roads in the future.

    REFERENCES
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    18. 18. Tomonaga, T., Ashikari, Y. and Hamada, T. (2008) Improvement of Road Environment by Solar Heat-blocking
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    19. 19. Kinouchi, T., Yoshinaka, T. and Fukae, N. (2004) Development of High Performance Solar Heat-blocking
      Pavement Targeting Mitigation of Urban Heat Island, Journal of Pavement, Vol. 39-10, pp.7-11 (in
      Japanese).
    ]]> 15.遮熱性舗装の高性能化に関する研究 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis15/729/ Fri, 16 Jan 2015 14:09:42 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis15/729/ 続きを読む ]]>
  • (株)NIPPOコーポレーション 技術研究所 ◯吉中 保
  • 独立行政法人土木研究所 水工研究グループ 木内 豪
  • 長島特殊塗料株式会社 機能塗料事業部 深江典之
  • 1. はじめに

    都市域のヒートアイランド現象が社会的な問題となる中で、塗装など人工地覆の高温化がその原因の一つとされており、早急な対策が求められている。その様な状況から開発した遮熱性舗装1)は、路面に遮熱コート材を塗布して日中の路面温度の低減を図るものであり、実用的で速効性のあるヒートアイランド対策2)として期待できる新しい舗装技術である。
    筆者らは、より適用効果の高い対策技術として確立させていくことを目的とした、遮熱性舗装の高性能化に関する共同研究を実施している。ここでは、車道への適用を考慮した黒色系の遮熱性舗装について、新規開発した遮熱コート材の日射反射性能および温度低減性能に関する検討結果を報告する。

    2. 遮熱性舗装の概要と高性能化

    遮熱性舗装は、路面に遮熱コート材を塗布して日射反射率を高めることによって、路面温度の上昇抑制を図ることができるものである。使用する黒色系の遮熱コート材は、日射のうち可視域の反射率を低く抑えたまま日射エネルギー量の約50%を占める近赤外線のみを高反射して蓄熱を防ぐので、黒色の色調を保ちつつも温度低減化を図ることが可能である。

    3. 実験結果と考察

    本研究では、区画線の視認性確保を考慮して、車道用として望ましい明度をL40((社)日本塗料工業会塗料用標準色見本帳 N-40相当)程度以下と定め、現在実用化されている遮熱コート材(従来品、(株)NIPPOコーポレーション・長島特殊塗料(株)製)を性能基準として、反射特性の改善と更なる温度低減化を目標とした。具体的には、塗膜構造の検討や新規材料の導入検討等である。

    (1) 反射特性の改善

    図-1に、従来品と本開発品(例としてN-40タイプ105)の反射特性を示す。L値はいずれも約40であり、同様の黒色系の色調を持つ。可視域を低反射としつつも近赤外域を高反射する遮熱コート材の反射特性がみられるなかで、N-40タイプ105については近赤外域の反射レベルが約90%にまで達しており、2002年8月時点での従来品よりも約20%も向上している。
    一方、図-2のN-40タイプ105とN-40タイプ104は一部の材料を使い分けてみた結果であり、近赤外域の反射性能が改善していることから、適切な材料選定や配合設計を実施していくことで遮熱コート材としての反射レベルを向上できることがわかる。

    本開発品(N-40タイプ105)の反射性能

    図-1 本開発品(N-40タイプ105)の反射性能

    (2) 日射反射率の向上

    明度と日射反射率の関係について、従来品N-40とN-60(いずれも2003年2月以降)を基準に、本開発品の一部をプロットした(図-3)。これより、本開発品の日射反射率が全体的に従来品よりも向上していることがわかり、特に目標明度をL40以下と規定した場合にはN-40タイプ105の日射反射率が高く、温度低減化に対する有効性が期待できる。なお、ここで示す日射反射率とはJIS A 5759に定義されるものである。

    材料選定と反射特性の改善

    図-2 材料選定と反射特性の改善

    明度と日射反射率の関係

    図-3 明度と日射反射率の関係

    (3) 屋外での舗装表面温度

    本開発品のうち、選定した32種類について沖縄市内に供試体を設置し、屋外において舗装表面温度を測定した。供試体は密粒度アスコン13mmTOPに遮熱コート材をコーティングしたホイールトラッキング試験用のものであり、熱電対は先端部を約5cm露出させて遮熱コート材とアスコンとの界面に接着し、それぞれの供試体の周囲には断熱処理を行った。

    図-4に示す遮熱コートを塗布しない標準に対する最大温度差は、N-40タイプ104が14.5℃、N-40タイプ105が15.1℃であり、黒色系でありながら高い温度低減効果が得られていると共に、図-1ならびに図-2に示したN-40タイプ105の反射特性の改善が舗装表面温度の更なる低減化につながっている。
    一方、明度と温度低減量の関係を示せば図-5のとおりであり、L40以下で日射反射率の高いN-40タイプ105が特に温度低減量が大きく、従来品を越える温度低減性能が得られていることがわかる。

    標準舗装に対する温度低減量

    図-4 標準舗装に対する温度低減量

     

    本開発品の温度低減性能

    図-5 本開発品の温度低減性能

    4. おわりに

    遮熱性舗装は、重交通道路を含む広範囲な適用性を有していると共に、既設舗装も含めて遮熱コート材を路面に塗布するのみで安定した温度低減効果が得られるという、早急な対応と速効性が求められるヒートアイランド対策として有効な方法と考えられる。ここで示したように、技術的発展性が残されていることの他、低騒音舗装と組み合わせた場合にタイヤ路面騒音の低減効果がみられること3)、さらに路面温度の低減化に伴うわだち掘れの抑制に効果が認められる4)など、遮熱性舗装には様々な社会的要求に対する今後の進展が期待できるものである。

    1. [参考文献]
    2. 1)吉中保、根本信行:路面温度のヒート抑制を目的とした機能性舗装に関する一検討、土木学会舗装工学論文集 第6巻, pp.29〜38, 2001.12
    3. 2)独立行政法人土木研究所水工研究グループ:ヒートアイランド現象軽減のための各種対策の提案とその効果、平成14年度土木研究所講演会講演集, pp.65〜78, 2003.1
    4. 3)吉中、木下、木内ほか:都市の熱環境改善と沿道環境向上を目指した遮熱性舗装の研究開発、(社)日本道路建設業協会第13回懸賞論文(投稿中), 2003
    5. 4)新田弘之、吉田武、城戸浩:路面温度低減型舗装に関する研究、アスファルト合材No.66, pp.7〜11, 2003.4
    ]]>
    14.遮熱性舗装による都市熱環境改善効果に関する考察 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis14/726/ Thu, 15 Jan 2015 14:07:46 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis14/726/ 続きを読む ]]>
  • 土木研究所水工研究グループ ◯木内 豪
  • (株)NIPPOコーポレーション技術研究所 吉中 保
  • 長島特殊塗料(株)機能塗料事業部 深江 典之
  • 1. はじめに

    大都市圏における夏期熱環境の悪化は大きな社会問題に発展しており、産学官で多様な取り組みが行われている。道路・舗装分野においても様々な貢献策が考えられるが、中でも保水性舗装や遮熱性舗装による舗装体の高温化防止が期待され、国と自治体により実道等における試験施工と性能確認がなされつつある。遮熱性舗装は効果の持続性や既設舗装への施工性で優れているが、反射日射により人体への熱負荷が増えるのではないか、反射日射により大気が加熱されるのではないかという点も指摘されている。そこで、本論文においてはいくつかの観点から遮熱性舗装による都市熱環境改善の可能性に関して考察を行った。

    2. 熱環境改善効果の定量化

    (1) 舗装体温度の変化

    舗装供試体レベルでの温度低減性能の実測による性能の確認を行った。図1は数種類の反射性塗膜を用いた遮熱性舗装の表面温度が標準の密粒舗装に比べてどの程度低下するかを示したもので、表面温度差が大きいほど、温度抑制効果が高いことを示している。8月の晴天日において、灰色系で15℃以上、黒色系の舗装でも10℃近い温度低減が確認された。一方、冬期においては、密粒舗装と遮熱性舗装の温度差はそれほど大きくない。

    遮熱性舗装の表面温度測定結果

    図1 遮熱性舗装の表面温度測定結果(上:夏期・表面温度差、下:冬期・表面温度+温度差)

    (2) 熱収支の変化

    舗装面からは大気を直接加熱する顕熱が、大気と舗装面の温度差に応じて上空に輸送される。図2は測定結果に基づき整理した密粒舗装と遮熱性舗装の熱収支であるが、遮熱性舗装では密粒舗装に比べて顕熱輸送量が日中で半分程度に減少し、午前、午後で顕熱輸送量がほとんどない時間帯が密粒舗装に比べて長い。これは蓄熱量が少ないことを意味しており、熱帯夜問題解消にも効果的であることが示唆される。

    舗装面の熱収支 上:密粒舗装、下:遮熱性舗装(灰色)

    図2 舗装面の熱収支 上:密粒舗装、下:遮熱性舗装(灰色)

    (3) 都市大気への影響

    東京23区の全道路に遮熱性舗装を導入した場合の気温低減効果を試算した。計算条件として、現状の舗装面のアルベド値は0.1、遮熱性舗装のアルベド値は0.6を与えた。遮熱性舗装導入による気温変化量を図3に示す。舗装の表面温度が低下したことに起因して、都心部で正午には0.8℃以上、午後2時でも0.6℃以上の気温低減効果が認められた。また、顕熱輸送量は80W/㎡以上も減少しており、保水性舗装や屋上緑化に匹敵する量となっていた。なお、今回のモデルでは路面反射が建物により吸収される影響(その逆も含む)は考慮されていない。

    遮熱性舗装導入による気温の変化

    図3 遮熱性舗装導入による気温の変化(8/25 12:00)

    (4) 反射日射の大気による吸収

    路面で反射される日射は、大気中に存在する空気分子やエアロゾルによって散乱されるとともに、水蒸気、酸素、二酸化炭素、オゾンなどにより吸収される。また、路面から放出される長波放射も、水蒸気や二酸化炭素などによって吸収され、大気から再び放射される。したがって、路面からの反射日射と長波放射のどちらがより大気の加熱効果が大きいかがポイントとなる。Kondo1)によれば、地表面から放出される長波放射は、日中、100m以下の大気を加熱し(放射加熱と呼ぶ)、高度5cm付近で14℃/時以上、高度1.5mでも約4℃/時の放射加熱が生じる計算となる。浅枝ら2)は、舗装面を対象として放射加熱の検討を行い、地上から数10mの高さまでは局所的に極めて多くの長波放射が吸収されると算定している。また、地表面に向かう日射の吸収量は高度にほとんどよらず大気層1m通過において1W/㎡であるのに対して、長波放射の吸収量(放射加熱量)は地上1mでおよそ10W/㎡/mと、日射の10倍となることが示されている2)。これらの知見からすると、反射日射で太陽からの入射エネルギーを上空に逃がす方が下層大気の加熱量は少なくなると考えられる。

    (5) 反射日射が周囲建物に及ぼす影響

    舗装面を囲うように建物が存在する街路空間の場合、舗装面で反射される日射の一部は沿道の建物に吸収されて壁面温度を上昇させるのではないかと考えられる。その程度は街路の幾何構造や建物壁面の熱物性、反射特性に依存する。キャノピーモデルを用いて試算したところ、建物が路面の反射日射の一部を吸収して壁面温度がわずかに増大するが、街路空間(キャノピー)全体としての反射率は増大することから、街路空間から上空大気への顕熱量は減少し、都市のヒートアイランド化を抑制する方向に働く。

    (6) 人体への影響

    人間の温冷感覚は人体の温熱生理反応の結果として現れる。人体への熱負荷が増えると暑さが助長され、より深刻には熱中症が誘発される。屋外における人体への熱負荷として最も大きな割合を占めるのは全天日射である。密粒舗装を遮熱性舗装に変えると、反射日射が増え、長波放射が減る。例えば、舗装面の反射率が15%から50%になることによって表面温度が60℃から45℃まで減少すると仮定すれば、夏期晴天日・日中において人体が受ける反射日射の増分は約150W/㎡、長波放射の減分は約60W/㎡となる(射出率1、人体の形態係数0.5と仮定)。この大小だけで議論すれば遮熱性舗装は人体への熱負荷を増大させる方向に働くが、実際には地上近傍の気温場や人体足下から伝わる熱伝導に変化が生じて、熱負荷を軽減する方向に作用すると考えられる。したがって、今後はこれらも考慮した温冷感覚評価の検討や、現地スケールでも実証的な温冷感覚評価が必要である。

    3. まとめ

    遮熱性舗装の熱環境改善効果について様々な視点から定性的あるいは定量的な評価を試みた。まだ最終的な結論が得られていない点もあり、引き続き検討が必要である。また、日中建物等の影になる時間が長い所ではあまり効果的ではないことを考えると、遮熱性舗装の適用範囲に関しても、より定量的な議論ができるようにする必要がある。むろん、より安価で高性能・高耐久性を有する遮熱性舗装の開発も重要である。

    1. 参考文献
    2. 1) Kondo, J.:Journal of the Meteorological Society of Japan, Vol.49, No2, 75-94, 1971
    3. 2) 浅枝ら: 加熱された舗装面上空の大気加熱過程の解析、土木学会論文集No.467/ⅠⅠ-23, 39-47,1993
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    13.表面熱収支の解析と数値シミュレーションによる高アルベド塗料の表面温度低下効果の検証 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis13/719/ Wed, 14 Jan 2015 14:04:50 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis13/719/ 続きを読む ]]> Evaluation of Cooling Effect of High-Albedo Paints by Data Analysis and Numerical Simulation og Surface Heat Budget

    1. 平野 勇二郎* Yujiro HIRANO*
    2. 大橋 唯太** Yukitaka OHASHI**
    3. 藤野 毅*** Takeshi FUJINO***
    4. *埼玉大学大学院理工学研究科(学振特別研究員)
    5. **岡山理科大学総合情報学部
    6. ***埼玉大学大学院理工学研究科

    要旨:
    本研究は都市における暑熱環境緩和方策の基礎研究として、高アルベド塗料を塗布したコンクリート表面における熱収支観測データの解析とモデリングを行い、高アルベド化による表面温度低下効果を検証した。まず観測データから熱収支解析を行い、表面熱収支の日変化パターンを明らかにした。この結果、例えば高アルベド塗料の塗布面では顕熱フラックスがほどんど生じていないことなどの知見を得た。次にこの熱収支解析を検証するために1次元熱収支・熱伝導モデルを作成しシミュレーションを行った結果、観測から得られた表面温度や熱収支を概ね再現することができた。

    Abstract:
    In order to evaluate surface-cooling effects of high-albedo paints, we analysed the surface heat budget of concrete blocks coated with high-albedo paints by observational data and numerical model. The analytic results based on observational data showed, for example, that the downward sensible heat flux from air to white-painted blocks appeared in the daytime. To validate these results, we developed a one-dimensional surface heat-budget and heat-conduction model. From the results of numerical simulations, characteristics of surface temperature and heat budget were well represented by the model.

    キーワード:高アルベド塗料、表面熱収支、数値シミュレーション、都市熱環境

    Key words:high-albedo paint, surface heat budget, numerical simularion, urban thermal environment

    はじめに

    都市の表面の高アルベド化、すなわち日射反射率を高める方策により、冷房負荷軽減やヒートアイランド緩和などの効果が期待できる(例えば、二階堂ほか、1999; 近藤ほか、2000など)。高アルベド化の効果についてはこれまで主にアメリカにおいて数多くの評価が行われてきたが(例えば、Taha et al., 1999; Akbari et al.,2001など)、日本の気候条件における評価事例は多いとは言えない。国内では高アルベド化による表面温度の変化についての実測評価事例は若干あるものの(二階堂ほか、1999; 近藤ほか、2000)、熱収支変化に関する評価事例はきわめて少ない。こうした実測評価は特定の気象条件の下で行わざるを得ないので、一般的な知見を得るには今後さらに評価事例を増やしていく必要がある。また、近年は国内でもシミュレーションによる評価事例が増えつつあるが(例えば、亀卦川ほか、2002; 佐藤ほか、2004)一般にシミュレーションには多くの仮定が含まれるから、的確なパラメータや検証データの取得のために実測事例の蓄積が必要である。

    こうした問題意識から、平野ほか(2004)は高アルベド塗料を塗布したコンクリート面において表面温度と熱収支の観測を行った。この結果、最もアルベドが高い白色塗料を塗布した場合、10℃以上の大きな表面温度低下効果が得られることや、日中でも大気からコンクリート面への下向き顕熱フラックスが生じることなどが示された。しかしながらこの研究は、例えば蓄熱量を無視して熱収支解析を行っていることなど、検討課題がまだ残されており、物理的なメカニズムを含めた解明・検証が必ずしも十分になされたとは言い難い。

    そこで本研究の目的は平野ほか(2004)の観測結果にさらなる検討を加え、高アルベド塗料による熱収支変化と表面温度低下効果を実証することである。具体的にはまず平野ほか(2004)の観測データにさらに計測と解析を加えて、より詳細な熱収支解析を行う。その上で、より一般的な知見を得るため1次元熱収支・熱伝導モデルを作成し、アルベドと熱収支や表面温度の関係についてシミュレーションにより検証する。

    1. 観測の概要とデータ処理

    本研究では平野ほか(2004)と同様に白色、淡いクリーム色、濃い赤茶色の3色の塗料を評価対象とした(以下、それぞれ塗料A、塗料B、塗料Cと呼ぶ)。各塗料のアルベドと射出率を表1に示す。塗料B、塗料Cは可視域に対して近赤外域の反射率が高い有色の高アルベド塗料である。有色の高アルベド塗料では外見上は白色化しないため、眩しさによる不快感の軽減や街区の美的景観、建築のデザイン性、自動車運転時の安全性などの問題に配慮しつつ、街区の日射反射率を高めることができる。

    本研究は主に平野ほか(2004)が行った3通りの観測のうち、予備実験である観測1を除き、観測2および観測3で得られたデータを用いて解析を行った。観測サイトでは図1に示した通り、厚さ8cmのコンクリートブロックを土の上に並べた3mx3mのコンクリート面を設置し、上面に塗料を塗布して観測を行った。観測2は最も反射率が高い塗料Aと塗布を行っていないコンクリート面との比較、観測3は3種類の高アルベド塗料(塗料A, B, C)とコンクリート面との比較を目的としている。なお観測2、観測3の観測期間はいずれも降雨ではなく、平均最高気温はそれぞれ31.9℃、25.3℃であった。観測2は9月中旬に行ったが、気温は比較的高く、暑熱環境を評価する上では良好な気象条件であったと言える。一方、観測3は快晴日を含みいずれも好天静穏日であったが、すでにほぼ秋季の気象条件となっており、気温は観測2と比較して低めであった。

    アルベドおよび射出率(平野ほか, 2004)

    表1 アルベドおよび射出率(平野ほか(2004))

    本研究で用いた観測項目のうち短波・長波放射量、気温、風速、放射温度計による表面温度に関しては、平野ほか(2004)と同様である。さらに本研究では、次の通りにデータを加えて解析を行った。まず表面温度は、放射温度計のみでは時間分解能に限界があるため、表面に貼り付けたサーミスタ式の接触型温度計(T and D社、RTR-52)を併用した。ただし接触型温度計では日射の影響を受けた場合にセンサーの温度とコンクリートの表面温度とを完全に一致させることは困難である。そこで、絶対値は放射温度計に合わせて、サーミスタ温度計により時間的な補完を行うことで表面温度の10分値を得た。

    画観測の概要

    図1 画観測の概要

    補完の方法は差の線形内挿とした。またコンクリートの温度プロファイルについて、表面温度およびコンクリート内部(深さ2.5cm, 4.5cm)、下端(深さ 8cm)においてサーミスタ温度計およびT型熱電対により計測したデータも用いた。また、コンクリート下面と土壌の間に入れた熱流板(REBS社、PHF-01)により計測した熱流のデータも用いた。ただし表面温度は各塗料およびコンクリート面について観測したが、内部・下部温度および熱流はいずれも3mx3mのコンクリートブロックの中心部のみ、すなわち観測2は塗料A、観測3は塗料Bのみを計測した。なお、サーミスタ温度計は17〜36℃の範囲でアスマン通風乾湿温度計の乾球温度と合わせることにより器差補正を行った。また放射温度計は水温5〜50℃の範囲で、水をかき混ぜながら放射温度計により水面の温度を測定し、同時にサーミスタ温度計により水温を測定して、これらにより器差補正を行った。ただし、放射温度計は対象物からの長波放射を計測して表面温度を算出するため、接触型温度計による温度の計測値に合わせる補正式を作成することは厳密な温度補正法とはいえない。なぜなら、計測した長波放射から表面温度を算出する際に反射成分を分離する必要があるが、そのために必要な入射量や射出率が計測環境や対象により異なるためである。そのためここでは温度ではなくセンサーが受け取る長波放射量を合わせる補正式を作成した。熱電対は水温の計測値をサーミスタ温度計と合わせる形で器差補正を行った。

    cpとλの計測方法の模式図

    図2 cpとλの計測方法の模式図

    2. 体積熱容量、熱伝導率の計測

    本研究の観測で用いたコンクリートブロックについて体積熱容量cpと熱伝導率λのパラメータを次の通りに計測した。まず図2に示した通りにコンクリートを第1層〜第4層(深さ0cm, 2.5cm, 4.5cm, 8cm)の4つの層に分割し、各層の温度と上端、下端の熱流を計測した。この計測はコンクリートの上側の日射を遮蔽する必要があったため、観測2、観測3の観測期間とは別の晴天日に行った。ここで各層の温度(K)、熱流(W/㎡)、深さ(m)をそれぞれT,G,zとし、添え字のiは第i層を、i+1/2は第i層と第i+1層の中間点を意味する。また時間(sec)をtとし、Δは時間方向の差分を意味する。cpとλは次式より求まる。

    ただし、G2 ,G3 の計測値がないので、以下の通りに算出した。まず各層間の温度勾配を均一と仮定して式(1)を差分化すると、

    となる。これをi=1〜3で積算すると、式(4)が得られる。

    この式(4)に従い、図3に示した通り原点を通る回帰式によりcpを算出した。データは20分平均値を用いた。また、ここで得られたcpを用い、G1と式(3)から、G2 ,G3を算出し、式(2)からλを算出した。λは各層について算出できるが、ここでは均一とし、図4に示した通り原点を通る回帰直線によりλを算出した。これらの結果、cp=2301[kJ/㎥/K], λ=1.739[W/m/K]を得た。

    cpの計算結果

    図3 cpの計測結果

     

    λの計算結果

    図4 λの計測結果

    3. 表面熱収支の日変化

    平野ほか(2004)は熱収支解析により塗料A,Bでは負の顕熱フラックスが生じることを示しているが、主に蓄熱量を無視するため日積算値に基づいて検討しており、各熱収支要素の日変化についての検討は十分とは言えない。また、コンクリート内部や下側の温度を比較していないため、実際には日積算値であっても蓄熱量が無視できるとは限らず、十分な検証ができていない。そこで本研究ではコンクリート内の温度プロファイルや下側の熱流を計測した観測2の塗料A、観測3の塗料Bについて、コンクリートの内部温度や下部の熱流のデータと前章の体積熱容量の計測値から各熱収支要素の日変化を算出した。熱収支式を次に示す。

    ここでS:下向き短波放射(W/㎡)、L:下向き長波放射(W/㎡)、ref:アルベド(-)、ε:射出率(-)、Ts:表面温度(K)、H;顕熱フラックス(W/㎡)、G:地中熱伝導(W/㎡)である。Gは、コンクリートの温度(深さ0cm, 2.5cm, 4.5cm, 8cm)と体積熱容量cpから算出した蓄熱量と、コンクリート下部の熱流板のデータから得た。また、Hは式(5)の熱収支残差により算出した。これらにより得られた熱収支各要素の日変化についてそれぞれ3日間の平均値を図5に示す。

    観測データによる表面熱収支算定結果

    図5 観測データによる表面熱収支算定結果 (観測2の塗料A、観測3の塗料B)

    この図から、熱収支残差として得た顕熱フラックスは熱収支全体の中で非常に小さいが、全体として負の値となっていることが読み取れる。本研究では蓄熱の影響も考慮して平野ほか(2004)より厳密な解析を行っているが、やはり日中に負の顕熱フラックスが生じることは十分に起こり得ると結論付けられる。ただし、熱収支残差は他の熱収支要素の誤差が集積されており、この結果から顕熱フラックスの日変化パターンを詳細に議論することには無理がある。また、コンクリート内部の温度プロファイルや下面の熱流の計測は観測2では塗料A、観測3では塗料Bについてのみしか行っていないため、これ以上の検討は次章に譲る。

    4. 熱収支・熱伝導モデルによる検証

    前章では観測値に基づいた熱収支解析を行ったが、観測値には諸要因による誤差が含まれるため、精度や物理的な整合性については疑問が残る。そこで、これらの妥当性を確認し、より一般的な知見を得るため、1次元熱収支・熱伝導モデルを作成した。

    このモデルでは各塗料およびコンクリート面についてアルベドと射出率のパラメータのみを個別に設定し、外部気象条件などの境界条件は共通の条件の下でコンクリートの温度や熱収支を算出する。作成したモデルは基本的には式(5)の熱収支式に基づくが、顕熱フラックスは式(6)に示すユルゲス式(近藤、2001)を用いた。ユルゲス式は対流熱伝達率を風速のみの関数とする単純な式であるが、本研究の観測サイトにおいて概ね妥当な結果が得られることは既に確認している(平野ほか、2004)。

    ここで、Ta:気温(K)、U:風速(m/s)である。また地中熱伝導Gは式(7)に示す熱伝導方程式により算出する。このためコンクリート内部は厚さ1cmで8層に、コンクリートより下の土壌部分は地下6mまでを不等間隔格子で20層に分割した。

    このモデルでは式(5)〜(7)を連立方程式として解くことで、表面温度やコンクリート内部温度、熱収支などを得る。境界条件となる下向き短波・長波放射および気温、風速は前述した観測値を用いた。アルベドと射出率のパラメータは表1の通りに設定した。コンクリートの体積熱容量cp、熱伝導率λは前述の計測値を用いた。下層の土壌については近藤(1994)に基づきcp=1300[kJ/㎥/K]、λ=0.3[W/m/K]とした。

    解析対象日は、観測2、観測3とも各観測期間の3日間のアンサンブル平均による仮想的な1日を設定した。実際にはアンサンブル平均により得られた気象条件に物理的な整合性があるとは限らないが、ここでのシミュレーションの目的では日による気象条件のばらつきを除去することが望ましいことと、観測2、観測3とも観測期間中に大きな気象条件の変化がなかったことから、今回は平均化することが適切と判断した。ただし、助走計算を行うにあたり連続したデータとする必要があるため、平均化する際に1日目と3日目には24時間の間にそれぞれ0→1、1→0と変化する重みをつけた。この仮想的な1日のデータを周期定常の気象条件と見なし、20日分を繰り返して助走計算を行い、その後の計算結果を解析に用いた。地中温度の初期値は、実験的に最下層が収束するまでの長期積分を行った結果をもとに、観測2は28.5℃、観測3は20.0℃と決定した。

    表面温度の観測値と計算値の比較

    図6 表面温度の観測値と計算値の比較

    この計算結果の再現性を検証するため、表面温度の計算値と実測値を比較した(図6)。この結果、計算値の方が若干温度が低めとなっているものの、全体としては概ね一致しており、各塗料の特徴はよく表現できていると言える。もちろん、ユルゲス式や土壌のcpやλのパラメータなどには仮定が入るため精度向上の余地はあるが、ここでの目的としては精緻に再現することよりも、一般的な場における塗料の効果を明らかにすることが重要であるから、必要な精度は確保されていると考えられる。図6から、計算により得られた高アルベド塗料の温度低下効果は、例えば塗料Aならばコンクリートと比較して日中に約10℃となっており、平野ほか(2004)の観測に基づく知見と一致した。次にシミュレーションにより得られた表面温度とアルベドの関係を図7に示す。この図から、アルベドと温度の関係はほぼ直線となっていることが分かる。観測値に基づいて同様に図化した例では日中にやや曲線的な関係となる傾向が生じたが(平野ほか、2004)、図7からはそうした傾向は読み取れない。一方、温度上昇時(図7実線)の方が温度下降時(図7破線)よりもアルベドによる温度差が大きく生じる傾向は、観測値と同様に明確に生じていることから、これは一般的な傾向であると考えられる。

    アルベドと表面温度の関係

    図7 アルベドと表面温度の関係(観測3)

    地中熱伝導モデル部分について妥当性を検討するため、観測データから得た熱流と計算値とを比較した(図8)。観測データから算出した熱流は、深さ0cmは前章と同様のコンクリートの温度変化およびコンクリート下部の熱流板からの計算値であり、深さ8cmは熱流板の観測値である。したがって0cmのデータについては体積熱容量cpは同一のパラメータを用いているので厳密な検証とは言えないが、この図から判断できる範囲ではいずれもよく再現されていると言える。

    熱流の観測値と計算値の比較

    図8 熱流の観測値と計算値の比較

    モデルにより再現された顕熱フラックスの日変化を図9に示す。この図からやはり塗料Aや塗料Bの午前中にはやはり負の顕熱フラックスが生じており、前章の熱収支解析とも矛盾しない結果となった。平野ほか(2004)の顕熱フラックスの日変化と比較すると、いずれもユルゲス式を用いているため結果は類似しているが、物理的な整合性が確認できているという点で、本研究の計算結果はより信頼性がある。ただし、負の顕熱フラックスが生じている場合は表面近傍での自然対流の性状が異なることが予想されるため、こういう条件下でのユルゲス式の適用性については今後検証が必要であると考えている。

    顕熱フラックスの計算結果

    図9 顕熱フラックスの計算結果

    おわりに

    本研究では、平野ほか(2004)の観測データに基づいて熱収支解析とシミュレーションにより高アルベド塗料による熱収支変化と表面温度低下効果を検証することを目的とした。本研究の成果をまとめると次の通りとなる。

    (1)コンクリートの物性値を計測し、蓄熱の効果を含めて熱収支解析を行った。これにより高アルベド化した表面での各熱収支要素の日変化が示された。熱収支残差により得られた顕熱フラックスは種々の誤差要因によるばらつきが大きく詳細な分析は困難であったが、負の顕熱フラックスが生じることは十分起こり得ることが示された。

    (2)観測および解析結果について検証し、より一般的な知見とするため、1次元熱収支・熱伝導モデルを作成してシミュレーションを行った。アルベドと射出率のパラメータのみを各塗料について個別に設定し、共通の境界条件の下でシミュレーションを行った結果、各塗料の特徴を概ね再現することができた。これにより、平野ほか(2004)が観測から得た一連の知見について、このシミュレーションにより再現することができた。

    本研究により、平野ほか(2004)の観測結果が物理的に裏付けられ、高アルベド塗料の表面温度低下効果についての実証ができたと考えている。しかし本研究においてもやはり、高アルベド塗料が広域に普及した場合に生じる気温低下効果については評価できていない。今後、大気側のシミュレーションを含めて検討する必要がある。


    [謝辞]
    本研究で用いた観測データの利用には国立環境研究所の一ノ瀬俊明氏、新津潔氏にご協力頂きました。モデル作成については九州大学の萩島理氏にご指導を頂きました。高アルベド塗料の利用に関しては長島特殊塗料株式会社の深江典之氏にご協力頂きました。ここに深謝の意を表します。本研究は文部科学省科学研究費補助金(特別研究員奨励費)を受けて実施された。

    • [引用文献]
    • Akbari, H., M. Pomerantz and H. Taha(2001) Cool surfaces and shade trees to reduce energy use and improve air quality in urban areas. Solar Energy, 70(3), 295〜310.
    • 平野勇二郎、新津潔、大橋唯太、一ノ瀬俊明 (2004) 高アルベド塗料を塗布したコンクリート面の表面温度と熱収支の観測. 環境情報科学論文集, N0.18, 247〜252.
    • 亀卦川幸浩、玄地 裕、近藤裕昭、花木啓祐 (2002) 街区構造に応じた高温化対策の導入が都市空調エネルギー需要に及ぼす影響. エネルギー・資源, 23(3), 200〜206.
    • 近藤裕昭 (2001) 人間空間の気象学. 朝倉書店、東京, 156pp.
    • 近藤純正 (1994) 水環境の気象学. 朝倉書店、東京, 348pp.
    • 近藤靖史、長澤康弘、入交麻衣子 (2000) 高反射率塗料による日射熱負荷軽減とヒートアイランド現象の緩和に関する研究. 空気調和・衛生工学会論文集、78, 15〜24.
    • 二階堂稔、寺内伸、水野民雄、石原真興、館山陽介 (1999) 光の高反射・熱の高放射塗料の開発(その2)、日本建築学会大会学術講演梗概集、A-1, 625〜626.
    • 佐藤大樹、村上周三、大岡龍三、吉田伸治、原山和也、近藤裕昭 (2004) ヒートアイランド緩和方策が夏季と冬季の都市熱環境へ及ぼす影響の数値解析 夏季・冬季の都市気 候特性の分析及び緑化と高アルベド化の効果の検討. 日本建築学会環境系論文集, No.577 55〜62.
    • Taha, H., St.Konopacki and S. Gabersek (1999) Impacts of large-scale surface modifications on meteorological conditions and energy use: a 10-region modeling study. Theor. Appl. Cimatology, 62, 175〜185.

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    社団法人 環境情報科学センター
    Center for Environmental Information Science, Tokyo

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    12.高アルベド塗料を塗布したコンクリート面の表面温度と熱収支の観測 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis12/717/ Tue, 13 Jan 2015 14:03:16 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis12/717/ 続きを読む ]]> Observation of Surface Temprature and Surface Heat Budget on Concrete Coated with High-Albedo Paints

    • 平野 勇二郎 Yujiro HIRANO*
    • 新津 潔 Kiyoshi NIITSU**
    • 大橋 唯太 Yukitaka OHASHI***
    • 一ノ瀬 俊明 Toshiaki ICHINOSE**
    • *埼玉大学大学院理工学研究科(学振特別研究員)
    • **独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター
    • ***岡山理科大学総合情報学部

    要旨:
    都市の高アルベド化による暑熱環境緩和効果を明らかにするための基礎研究として、屋外に設置したコンクリート面に高アルベド塗料を塗布した際の表面温度と熱収支の変化を観測した。観測は厚さ8cmのコンクリートブロックを並べた3mx3mのコンクリート面に高アルベド塗料を塗布して行った。この表面温度の観測結果から、最もアルベドが高い白色塗料の塗布面は、塗布を行っていないコンクリート面と比較して日中に10℃以上低温度であることなどが示された。また熱収支解析結果から、午前中の温度上昇時は白色塗料の塗布面では大気から塗布面への下向き顕熱フラックスが生じていることなどが示された。

    Abstract:
    In order to evaluate the effect of increasing urban albedo on urban thermal mitigation,we measured the changes of surface temperature and heat budget due to high-albedo painting. The observations were made with the concrete blocks settled on the grounds in an area of 3 m square. We coated high-albedo paints to these concrete blocks and measured surface temperature, downward shortwave and longwave radiations, air temperature, and wind speed. We also measured albedo and emissivities of each paint and bare concrete surface. The observation result showed that the daytime surface temperature of white-painted blocks was more than 10℃ lower than that of bare concrete. Additionally, the analytic results of surface heat budget showed that the downward sensible heat flux from air to white-painted blocks appeared in the daytime.

    キーワード:高アルベド塗料、表面温度、熱収支、観測、都市熱環境

    Key Words:High-albedo paint, Surface temperature, Heat budget, Observation, Urban thermal environment

    はじめに

    夏季の冷房負荷軽減やヒートアイランド緩和のために都市の表面の高アルベド化、すなわち日射反射率を高める方策が有効であると言われている。これは屋上緑化や保水性舗装とは異なり絶対湿度を上昇させないため、暑熱環境緩和という観点では、夏季に高温多湿となる日本においてとくに有利であると考えられる。広域的な都市の高アルベド化の効果についてはこれまで主にアメリカのLawrence Berkeley National Laboratoryなどを中心に数多くの評価が行われてきた。(例えば、Taha et al.,1999; Akbari et al.,2001)。しかし日本国内ではこれまで、緑化や保水性舗装などの議論は古くからさかんに行われてきたものの、高アルベド化についての評価事例は意外に少ない。とくに最近はメソスケール気象モデルや都市キャノピーモデルを用いたシュミレーションによる報告は増えつつあるが(例えば、亀卦川ほか、2002;佐藤ほか、2004)、日本の気候条件における実測の事例は依然として多くない。実測に基づく評価は特定の気象条件・地域条件の下で行わざるを得ないため、一般的な知見を得るには今後、評価事例を増やしていくことが必要である。また、これまでの数少ない実測はいずれも塗料の塗布による表面温度低下に着目した評価であり(例えば,
    二階堂ほか,1999;近藤靖史ほか,2000 など)、その最も基本的なメカニズムである熱収支変化についての実測の事例が見当たらない。

    そこで本研究では都市の高アルベド化の暑熱環境緩和効果を明らかにするための基礎研究として、コンクリート面に高アルベド塗料を塗布した際の表面温度と熱収支の変化について観測を行った。とくに本研究では色の異なる3種類の塗料(以下、塗料A、塗料B、塗料Cと呼ぶ)を塗布し比較した 1)。本研究で用いた塗料は可視域は自由に調色できるが、近赤外域の反射率が高いため、同色の一般塗料よりもアルベドが高いという性質がある(深江、2003)。このため高アルベド化による眩しさを軽減できること、建築のデザイン性や街区の美的景観を損なわないことなどのメリットが期待できるため、本研究ではこの塗料を採用した。

    1. 観測概要

    観測は国立環境研究所内の南側外周付近に設置した観測サイトで行った2)。写真1に示した通り、大きさ30cmx30cm、厚さ8cmのコンクリートブロックを土の上に10個x10個を並べた3mx3mの面に塗料を塗布した。塗料の色は、塗料Aは白色、塗料Bは淡いクリーム色、塗料Cは濃い赤茶色である。

    この観測サイトにおいて放射温度計(HORIBA 社製、IT-340)により日中は2時間、夜間は4時間おきに表面温度を観測した。その際の放射温度計の射出率εの設定は1に固定した。各観測箇所はいずれもコンクリートの端から30〜60cmの位置とした。これと同時に、コンクリートの中央付近に設置した放射収支計(Kipp&Zonen社製、CNR-1)により、短波・長波放射を観測した。またコンクリートの脇に気象計(DAVIS社製)を設置し、気温および風速をそれぞれ1.5m、約2mの高さで観測した。短波・長波放射量および気温・風速はデータロガーを用いた自動計測を行い、本研究ではその1時間平均値を解析に用いた。

    本研究では次の3通りの観測を行った。これらの観測期間はいずれも無降水である。

    観測1: 塗布前のコンクリート面の観測(2003年9月10日 5:00 〜 9月11日 5:00)

    比較のための塗布前のコンクリート面について観測を行った。本論文ではこれはアルベドや熱収支解析の参考データとしてのみ用いる。なお、この日はほぼ晴天であり平均気温は27.8℃、日最高気温は31.5℃と気温は高かった。また日平均風速は1.92m/sであった。この風速は、この観測サイトにおける高度2mでの観測値としては大きな値であり、風が強い気象条件であったと言える。

    観測2: 白色塗料(塗料A)とコンクリートの比較(2003年9月13日 5:00 〜 9月16日 5:00)

    最も反射率が高い塗料Aを塗布した。ただし比較のために南東側の60cmx60cmの範囲を塗布せずに、コンクリート面のままとした3)。また草地および土壌についても表面温度を計測した(写真1の「草地」および「土壌」)。この期間の平均気温は26.2℃、3日間の平均日最高気温は31.9℃、平均風速は0.76m/sであった。9月としては気温が高く、暑熱環境を評価する上では良好な気象条件であったと言える。

    観測3: 各塗料(塗料A,B,C)とコンクリートの比較(2003年9月30日 5:00 〜 10月3日 5:00)

    3種類の高アルベド塗料を塗布した。写真1に示した通り、中心部分は塗料Bを塗布し、隅の3箇所の各60cmx60cmの範囲を塗料A、塗料Cおよびコンクリート面とした。この期間は快晴日(9/30)を含み、いずれも好天静穏日であった。ただし平均気温は18.4℃、3日間の平均日最高気温は25.3℃と、観測1、2と比較して気温は低めであった。平均風速は0.41m/sであり、静穏な気象条件であった。

    観測サイトの状況

    写真1 観測サイトの状況 (観測3の例)

    2. 各種パラメータの取得

    2.1 アルベドの計測

    前述の観測1〜3における放射収支計の上向き・下向き短波放射量のデータを用いてアルベドを算出した。この日射量500W/㎡以上の時刻の平均値を表1(a)に示す。また確認のために、各塗料の反射率の標準データ4)を表1(b)に示す。これらのデータを比較すると、放射収支計による計測値の方が明らかに小さいことが分かる。とくにアルベドが高い塗料ほどこの差が大きくなっている。本研究では3mx3mという試験体の大きさの制約から試験体周辺からの反射がセンサーの視野角に入るため(写真1参照)、これが誤差要因となっていると考えられる。一方、標準データは塗料メーカーにより公表されているデータであるため、より精密な計測値であると推察される。ただしこの塗料は受注生産で調色されているため、今回用いた塗料のアルベドがこの標準データと完全に同じとは言い切れない。

    そこで、ここでは図1の通りに放射収支計の短波放射センサー部分に艶の少ない黒い筒を取り付け、周辺からの反射を除去した上で反射率を計測した。ここで黒い筒のアルベドを0とし、次式よりアルベドを計測した。

    ここで、Sp: 筒を取り付けた場合の上向き短波放射の観測値、S: 下向き短波放射、ref:アルベド、fp :筒を取り付けた場合のセンサー側からみた試験体の形態係数である。ここではref=1とみなせる標準反射板を用いてfpを得た。この方法では鏡面反射成分については的確に計測できないが、今回の塗料やコンクリートはほぼ拡散反射面であると考えられるため、大きな誤差にはならないと考えられる。この方法により得られた各塗料およびコンクリート面のアルベドを表1(c)に示す。この結果、表1(a)の筒を用いていない計測データと比較すると標準データと近い値となっており、より的確な値が得られている可能性が高い。実際には鏡面反射成分が含まれることや黒い筒からの反射も含まれることなどの誤差要因があり得るが、本研究ではこの計測値を解析に用いることにする。

    アルベドおよび射出率の計測結果

    表1 アルベドおよび射出率の計測結果

    2.2 射出率の計測

    射出率εの計測方法を図2に示す。まず長波放射を遮断するカバーを用意し、放射温度計により計測するための穴をあけた。これを用いて、屋外において放射温度計のεの設定を1とし、カバーを試験体に被せた場合と被せていない場合について表面温度の観測を行った。同時に放射温度計によりカバーの温度を計測した。また、天頂角約50°の方向へ向けた放射温度計により空の有効温度(近藤純正 2000)を計測した。ここでカバーの射出率は1とし、また各試験体の射出率が波長に依存しないと仮定すれば、次式が成立する。

    ただし、Ts:表面温度、Tc:カバーを被せた場合の放射温度計の観測値、Tn:カバーを被せていない場合の放射温度計の観測値、Tcov:カバーの表面温度、Tsky:空の有効温度である。したがって、式(3)-式(2)より、

    となる。各試験体について観測値から算出した σTc4-σTn4とσTcov4-Tsky4 の散布図を図3に示す。この原点を通る回帰直線の傾きが1-єとなる。本研究では曇天時を含めて環境を変えて複数回の計測を行ったため、雲の影響等によりばらつきが生じているものの、いずれも0.96付近の安定した結果が得られた。コンクリートの標準的なεは 0.96であるため(近藤純正、2000)、ほぼ妥当な値であると考えられる。得られたεを表1(d)に示す。

     

    図1 アルベド計測の模式図

     

    射出率計測の模式図

    図2 射出率計測の模式図

     

    射出率の計測結果

    図3 射出率の計測結果

    3. 観測結果と考察

    3.1 表面温度の観測結果

    観測2、観測3について放射温度計の観測データと放射収支計による下向き長波放射Lおよび放出率εの計測値から、L=-σTsky4として式(2)にこれらを適用し、表面温度Tsを算出した(図4)。観測2の草地と土壌のεは近藤純正(2000)を参考にそれぞれ0.98,0.965と仮定して計算した。

    この図4から、最もアルベドが高い塗料Aの表面温度は気温とほぼ一致して推移しており、コンクリート面と比較し日中に10℃以上の温度差があることが分かる。

    表面温度および気温の日変化(上段:観測2、下段:観測3)

    図4 表面温度および気温の日変化(上段:観測2、下段:観測3)

    観測2では日中の土壌面の表面温度が突出して高いことも特徴的である。土壌はアルベドが低く熱容量が小さいことなどから日中に温度が上がりやすく、またこの観測期間は表面が乾燥していたため、非常日高温になったと考えられる。このため、塗料Aを塗布したコンクリートとは約20℃の温度差が生じている。一方、草地面の温度は日中は塗料Aとほぼ同程度である。草地は蒸発散の効果により表面温度が上がりにくいことが知られているが、今回のケースでは塗料Aの表面温度低下効果はそれと同程度に生じていると言える。ただし夜間は草地の方が温度が低い。これは主に蓄熱量の違いによるものと考えられる。

    観測3は躯体はいずれもコンクリートであるために日変化パターンは類似しているが、温度差はアルベドと対応して明瞭に生じている。前述した通り、塗料B、塗料Cは近赤外線を反射するため、外見上の明度の割にアルベドが高いという特性がある。このため、塗料Bは外見上はコンクリート面とほぼ同程度の明るさであるが(写真1参照)、日中にコンクリート面より約8℃ほど低温である。また塗料Cはコンクリートと比較して明らかに濃色であるが、コンクリート面よりも日中に約2℃高い程度である。ここで、観測3についてアルベドと表面温度の関係を図5に示す。この図5からアルベドと表面温度は全体的には概ね直線的な関係であると言える。また温度上昇時(図5実線)の方が、下降時(図5破線)と比較しアルベドによる温度差が大きく生じている点も特徴的である。これはアルベドが高いほど表面温度の変化が遅れる方向にタイムラグが生じているためである。この理由については次節で考察する。

    アルベドと表面温度の関係(観測3の3日間の平均値)

    図5 アルベドと表面温度の関係(観測3の3日間の平均値)

    3.2 熱収支解析

    次に観測3のデータを用い、高アルベド塗料の塗布による熱収支変化について考察した。ここでは地表面に入射する方向を負とし、次式により正味短波放射Snet、正味長波放射Lnetを算出した。

    また、観測開始時と終了時の表面温度に大きな違いがないことから、観測期間の積算値では蓄熱量はほぼ無視できると考えられる。そこで

    として顕熱フラックスHの日積算値を算出した。この日積算の熱収支を図6に示す。この結果、熱収支残差による日積算顕熱量では塗料Aと塗料Bが負値となっており、大きな熱収支変化が生じていることが推察される。ただしこれは残差であるためさまざまな誤差要因が集積されていると考えられるので、値についてはさらに精査が必要である。ここで、このHの日変化を明らかにするため、式(8)に示すユルゲス式(近藤、2001)を適用した。なお、ここでは気象データと対応させるため、表面温度は時間内挿を行い毎時のデータとした。

    観測3における各熱収支要素の日積算値

    図6 観測3における各熱収支要素の日積算値

    ここで、Ta:気温、U:風速である。ただし実際の対流熱伝達率は試験体の粗度や風速の観測高度等の諸要因に依存するため、ユルゲス式が適用できるかどうかはそのつど検討する必要がある。そこでユルゲス式によるHと図6の熱収支残差によるHとの日積算値での比較を行なった(図7)。この図から、両者の関係は概ね直線的であるが、絶対値としてはユルゲス式の方が若干大きめである。この誤差は平均1.9MJ/㎡/日(22W/㎡)であった。誤差要因として、もちろんユルゲス式の適用性についても検討の余地があるが、熱収支残差の方には他のさまざまな誤差が集積されるため誤差が生じやすいことも考慮する必要がある。とくに本研究ではコンクリート内部や下側の土壌の温度を比較していないため、蓄熱量が完全に無視できるかどうかについては検証できていない。また図7ではアルベドが高い塗料Aで差が大きくなっているが、前述した通り塗料Aはアルベドの計測方法によるばらつきが大きく(表1参照)、これが誤差要因となっている可能性がある。一方、ユルゲス式による対流熱伝達率の誤差であれば等比的に生じることが予想できるが、図7では誤差はむしろ等差的に生じており、符号が入れ替わっているケースもある。このため、この差は熱収支残差の方の誤差要因が大きいと思われる。また、対流熱伝達率は風速に依存するため、気象条件が異なる観測1,2,3のデータが図7上で連続的に並んだことも、ユルゲス式の妥当性を示唆している。こうしたことから、ここではユルゲス式による対流伝達率は的確であるとみなし、次にユルゲス式によるHの日変化を図8に示す。この図から、コンクリート面や塗料CからのHは日中に大きく、ピーク時は100〜120W/㎡に達している。これに対し、塗料Aの表面温度は気温とほぼ一致しているが、若干のタイムラグが生じているため(図4参照)こうした結果となった。また、観測2においてもこうしたタイムラグは生じており、(図4上段)、やはり午前中に顕熱フラックスが負になる傾向は明確に生じた(図省略)。塗料Aは日射の大半を反射するため日の出の後すぐには塗布面の温度は上昇しないが、気温は周辺の表面温度に影響されて上昇するため、大気からの顕熱により塗布面の温度が上昇していると解釈できる。このことから、今回の観測では小さな面に塗布したため表面温度は気温と同程度に変動したが、より広域に普及した場合には気温低下効果が大きく生じ、それに対応して表面温度の変動もさらに小さくなることが予想される。

    日積算顕熱量の比較

    図7 日積算顕熱量の比較

    顕熱フラックスの日変化

    図8 顕熱フラックスの日変化(観測3の3日間の平均値)

    おわりに

    本研究ではコンクリート面に高アルベド塗料を塗布し、その表面温度と熱収支の変化について観測を行った。本研究の成果を以下にまとめる。

    1. (1) 最もアルベドが高い白色塗料(塗料A)の表面温度は、日中・夜間とも気温とほぼ一致し、塗布を行っていないコンクリート面とは日中に10℃以上の温度差が生じた。また、この塗布面は草地の表面温度とほぼ同程度であり、乾燥した土壌面との温度差は日中に約20℃に及んだ。
    2. (2) 近赤外域の反射率が高い有色の高アルベド塗料(塗料B,塗料C)の塗布面とコンクリート面の表面温度を比較した。この結果、外見上はコンクリートとほぼ同程度の明度であった塗料Bの塗布面では、コンクリート面より日中に8℃ほど低温であった。またコンクリートよりも明らかに濃色であった塗料Cの塗布面でも、コンクリート面より約2℃高い程度であった。
    3. (3) 熱収支解析の結果、午前中の温度上昇時は塗料Aの塗布面では大気から塗布面への下向き顕熱フラックスが生じ、これにより表面温度が上昇していることが示された。ただしこれは気温変化が無視できるような小さな面に塗布したために得られた結果である。したがって広域に普及した場合に生じる気温低下効果は、観測された表面温度の日変化から予想される以上に大きなものとなる可能性がある。この点については大気との相互作用を含めて今後検討する必要がある。

    [謝辞]
    本研究を進めるにあたり産業技術総合研究所の近藤裕昭氏、玄地裕氏、井原智彦氏、株式会社富士総合研究所の亀卦川幸浩氏にご指導を頂きました。高アルベド塗料の利用に関しては長島特殊塗料株式会社の深江典之氏にご協力頂きました。反射除けの筒を用いたアルベド計測方法は電力中央研究所の田村英寿氏にアドバイスを頂きました。ここに深謝の意を表します。本研究は文部科学省科学研究費補助金(特別研究員奨励費、14・20174)を受けて実施された。

    1. [補注]
    2. 1) 本研究で用いた高アルベド塗料は長島特殊塗料株式会社の「ミラクール F200」である。調色は塗料A,B,Cがそれぞれ「クールホワイト」、「ニューアイボリー」、「レンガ」にあたる。
    3. 2) この観測サイトは国立環境研究所の「勝連トラバーチン」観測サイト(一ノ瀬ほか、2004)を利用したものである。なお、この観測サイトにはコンクリート内部に熱電対、コンクリート下面に熱流計が設置されており、今回の高アルベド塗料観測の期間中もデータを得ている。今後これらのデータも併せて解析を進める予定であるが、現段階では器差補正等に問題が残されているため、今回の報告ではこれらは用いない。
    4. 3) 観測2では準備の都合上、塗料Aとコンクリート面のコンクリートブロックの間に断熱材を入れることができなかったため、コンクリート間の熱伝導による誤差が生じている可能性がある。そこでこの誤差を調べるため、観測期間中に放射温度計により境界付近の温度を計測した。この結果、少なくとも放射温度計で検出できる範囲では、60cmx60cmの中心付近では水平方向の温度勾配は見られなかった。コンクリートブロックの間のわずかな隙間により断熱効果が生じていたと考えられる。そこでこの観測結果は利用可能であると判断した。ただし境界から10cmくらいの範囲では中心付近と比べて2℃程度の温度差が生じていたため、やはり熱伝導の影響は完全には否定できない。観測3では写真1の通り、厚さ3cmの断熱材をコンクリートブロックの間に挟み込んだ。
    5. 4) データ提供:長島特殊塗料株式会社
    • [引用文献]
    • ◆一ノ瀬俊明、新津潔、小野塚孝、神野充輝 (2004) 「勝連トラバーチン舗装工のヒートアイランド現象抑制効果の定量化研究」土木学会第12回地球環境シンポジウム講演論文集、233〜240
    • ◆亀卦川幸浩、玄地 裕、近藤裕昭、花木啓祐 (2002)「街区構造に応じた高温化対策の導入が都市空調エネルギー需要に及ぼす影響」 エネルギー・資源23(3),200〜206.
    • ◆近藤純正 (2000)「地表面に近い大気の科学」東京大学出版会、東京, 324pp.
    • ◆近藤裕昭 (2001) 「人間空間の気象学」朝倉書店、東京、156p.p
    • ◆近藤靖史、長澤康弘、入交麻衣子 (2000) 「高反射率塗料による日射熱負荷軽減とヒートアイランド現象の緩和に関する研究」空気調和・衛生工学会論文集, 78,15〜24.
    • ◆佐藤大樹、村上周三、大岡龍三、吉田伸治、原山和也、近藤裕昭 (2004) 「ヒートアイランド暖和方策が夏季と冬季の都市熱環境へ及ぼす影響の数値解析 夏季・冬季の都市気候特性の分析および緑化と高アルベド化の効果の検討」日本建築学会環境系論文集, 577,55〜62.
    • ◆二階堂稔、寺内伸、水野民雄、石原真興、館山陽介 (1999) 「光の高反射・熱の高放射塗料の開発(その2)」日本建築学会大会学術講演梗概集, A1-1,625〜626
    • ◆深江典之 (2003) 「遮熱塗料の遮熱機能と省エネルギー効果」省エネルギー, 55(10),27〜32
    • ◆Akbari,H.,M.Pomerantz and H. Taha(2001)「Cool surfaces and shade trees to reduce energy use and improve air quality in urban areas」 Solar Energy,70(3),295〜310
    • ◆Taha, H.,St.Konopacki and S Gabersek(1999)「Impacts of large-scale surface modifications on meteorological conditions and energy use: a 10-region modeling study」 Theor.Appl.Cimatology,62,175〜185

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    社団法人 環境情報科学センター
    Center for Environmental Information Science, Tokyo

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    11.ヒートアイランド現象を緩和する遮熱塗料(高反射率塗料) https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis11/715/ Mon, 12 Jan 2015 14:02:21 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis11/715/ 続きを読む ]]>
  • 深江典之* Noriyuki Fukae
  • 村岡克明** Katsuaki Muraoka
  • *ミラクール販売株式会社 常務取締役
  • **株式会社NIPPOコーポレーション 生産技術機械部、生産技術グループ

1. はじめに

環境省によると、20世紀中に地球全体の平均気温が約0.6℃上昇しているのに対し、日本の大都市として代表的な東京、大阪、名古屋などの6都市においては、平均気温が2〜3℃上昇しており、地球温暖化の傾向に比べて、ヒートアイランド現象の進行傾向が顕著だといわれている。ヒートアイランド現象の原因としては下記が挙げられる。

  • *人工排熱の増加(空調、電気機器、燃焼機器、自動車など)
  • *地表面の人工化(緑地、水面の減少と建築物・舗装面の増大)

ヒートアイランド対策として、人工排熱の減少や地表面被覆の改善のみならず都市形態の改善や人々のライフスタイルの改善も含めて、様々な分野で対応策が実施・検討されている。ここでは、遮熱塗料(高反射率塗料)によるヒートアイランド対策について報告する。

2. 日射による熱収支

建物の屋根面や舗装面には日射が当たり、太陽エネルギーが素材の表面温度を上昇させる。図1-1に示すように、通常の屋根面や舗装面は日射反射率が低いために、対流顕熱、長波放射および伝導熱が大きくなっており、それがヒートアイランド現象や熱帯夜日数の増加に大きな影響を及ぼしているといわれる。

一方、屋根面や舗装面に遮熱塗料(高反射率塗料)を塗布することによって、図1-2で示すように日射の反射を増やすことが可能であり、対流顕熱、長波放射および伝導熱を低減することが可能となる。

一般的な熱収支、高反射率塗料を塗布した場合の熱収支

3. 遮熱塗料によるヒートアイランド対策

遮熱塗料による対流顕熱および長波放射の削減は、屋根面・舗装面ともに効果的である。また、伝導熱については、屋根面および舗装面から下向きの熱流が減少するので、蓄熱量を減らすことにより夜間に対流顕熱および長波放射を低減することができ、熱帯夜日数の削減に貢献できると考える。更に、屋根面においては空調設備のある建物の冷房負荷を低減させることによって、人工排熱を減少させることができる。従って、遮熱塗料を屋根面や舗装面に塗装することによって、ヒートアイランド現象の原因といわれる人工排熱の抑制および地表面の人工化による影響を共に低減することが可能となる。入交ら1)によれば建物外皮に高反射率塗料を塗布し都市地盤のアルベドを0.17から0.3に上昇させた場合、日射量が多い昼間に都市気温を0.7℃低下させると試算されている。また、木内ら2) によれば東京都の現状の舗装面のアルベドを0.1から0.6に上昇させた場合、都心部で正午には0.8℃、午後2時でも0.6℃の気温低減効果があると試算されている。

塗料によるヒートアイランド対策の効果についてのフローを図2に示す。

遮熱塗料によるヒートアイランド対策のフロー

図2 遮熱塗料によるヒートアイランド対策のフロー

4. 遮熱効果を損なわない調色技術

東京都環境局が策定したヒートアイランド対策ガイドラインによると、対策メニューのうち「屋根面への高反射率塗料の適用」は図3に示すオフィス・商業用建物のみならず工場・倉庫、集合住宅および戸建住宅の全ての建物に対して効果的なメニューとなっている。ただし、高い反射率塗料は眩しさによる近隣への影響を考慮することとの注意が喚起されている。また、舗装面においては安全性を鑑み運転者が眩しさを感じたり、白線の視認性を損ねるような明度の高い色彩は避けなければならない。

オフィス・商業用建物における対策メニュー 、東京都環境局「ヒートアイランド対策ガイドライン」

図3 オフィス・商業用建物における対策メニュー  資料:東京都環境局「ヒートアイランド対策ガイドライン」

当社が取り扱っている遮熱塗料は、中空セラミック微粒子や近赤外線反射特殊顔料等を配合しており、人間には見えないが日射エネルギーの約50%を占める近赤外線を反射して、表面温度の上昇を抑制する特徴を持っている。

ここで、舗装用の遮熱塗料で明度をN40に調色した場合の分光反射率を図4に示す。可視光線は人間が濃いグレーと認識する反射率を示している。赤外線領域については、アスファルトの反射率が僅か4%程度なのに対して高い非常に反射率を示しており、路面温度の上昇を抑制できることが分かる。赤外線反射の最大化を達成するために、原材料の選定、配合設計および製造工程において技術改良を重ねており、開発が進むにつれて赤外線領域の反射率が向上していることが分かる。

分光反射率

図4 分光反射率

5. 遮熱塗料の熱特性

太陽熱エネルギーによる表面温度の上昇および蓄熱を抑えるために塗膜には下記の性能を持たせるべく配合設計している。

  1. ①日射反射率を高める
    太陽エネルギーによる塗膜の温度上昇を抑えるためにもっとも重要な性能である。太陽エネルギーの内、可視光線領域は人が色として認識できる反射特性を持たせ、人には見えないが太陽エネルギーの約半分を持つといわれる近赤外線領域を最大限に反射させる工夫をしている。そのために、近赤外線を反射させる特殊顔料および中空セラミック微粒子を各色相、各用途に応じて最適な配合比率で混合している。グレー(N6)に調色した場合の遮熱塗料「商品名:ミラクール」と一般塗料の反射率の比較は表1に示すとおり。
  2. 遮熱塗料と一般塗料の日射反射率の違い

    表1 遮熱塗料と一般塗料の日射反射率の違い

(ここで、日射反射率は300-2500nm、可視光線反射率は300-780nm、近赤外線反射率は780-2500nmの波長領域でJIS R 3106に従って測定した分光反射率を示す。)

また、白色塗料の場合、二酸化チタンによって可視光線領域、近赤外線領域ともに反射率を最大に上げているが、表2に示すとおり中空セラミック微粒子の混合により近赤外線領域の反射率を更に向上させている。

中空セラミック微粒子の有無による日射反射率の違い

表2 中空セラミック微粒子の有無による日射反射率の違い(JIS R 3106)

  1. ②放射率を高める
    物質はその温度に従った放射エネルギーを出しており、向き合った高温物質から低温物質へと電磁波の形で熱が伝わる状態を放射熱伝達というが、放射熱の度合いは物質固有の放射率εによって違いが生じる。夏期日中の屋根面などは大気よりも高温となっているので、屋根面から大気に向かって放射エネルギーによる熱移動が起こり、屋根面の温度は下がる。従って、屋根面の放射率εを高くすれば、放射熱伝達によって屋根面の温度を低く抑えることができる。例えば、光沢アルミニウムペイントの日射反射率は50〜70%と比較的高いが、放射率は一般塗料の85〜95%と比較して40〜60%と低く、表面温度が高くなる要因となっている。ミラクールは一般塗料と同様に放射率は高いが、表3に示すように中空セラミック微粒子を配合することにより更に放射率を高めている。
中空セラミック微粒子の有無による放射率の違い(JIS R 3160)

表3 中空セラミック微粒子の有無による放射率の違い(JIS R 3106)

米国のASTM E1980-1では、Solar Reflectance Index(日射反射指数)の計算方法が規定してあり、その計算に必要な要素として、日射反射率に加えて放射率や風速の違いによる対流熱伝達率が示されている。上述の光沢アルミニウムペイントと同じ日射反射率の高反射率塗料の放射率を95%と仮定した場合のSRI(日射反射指数)を計算すると下表のようになる。(ただし、対流熱伝達率は微風5W・m-2・K-1の場合)

従って、ある程度反射率は高いが放射率の低い金属素材やアルミニウムペイントを屋根に使用する場合には注意が必要と考える。

放射率によるSRIの違い

表4 放射率によるSRIの違い(ASTM E1980-1)(ただし、日射量:1000W・m-2、天空温度:300K、空気温度:310K、ステファン・ボルツマン定数:5.66961xq10-8W・m-2・K-4

  1. ③熱伝導を低くする
    熱伝導率はバインダー樹脂の熱伝導率に大きく依存し、格段に低い熱伝導率を達成することは困難であるが、塗膜中に中空セラミック微粒子を配合することにより、熱伝導率が低くなるように設計している。しかし、塗膜の厚さは1mm内外であり、厚さが数ミリから数百ミリもある一般的な断熱材の熱抵抗値と比較すべくもなく、あくまでも微かな補完的要素と位置づけ、当社では断熱塗料という言葉を使用しないように留意している。

6. 遮熱塗料による表面温度低減効果の実例

6.1 建築用

東京都環境局、武蔵工業大学近藤研究室と塗料メーカー5社(グループ)は、旧小学校屋上に遮熱塗料を施工し、室内熱環境緩和効果およびヒートアイランド現象緩和効果の確認実験を協同で実施した。当社取扱商品では、建設用遮熱塗料「長島特殊塗料(株)」及び道路用遮熱塗料「(独)土木研究所、(株)NIPPOコーポレーション、長島特殊塗料(株)」が施工された。建物の屋上塗装状況を写真1に示す。

実測対象となった鉄筋コンクリート造の教室寸法は7mx9mx3m(吊り天井高)であり、石膏ボード間仕切り壁で2分割され、各測定部分の部屋面積は31.5㎡である。測定ポイントの詳細は図5に示すとおり。

小学校屋上面

写真1 小学校屋上面

 

測定位置概要

図5 測定位置概要 単位mm

屋根表面温度の比較をすると、図6のとおり、鉄筋コンクリートの屋根面と比較して遮熱塗料を塗布した屋根面では温度上昇が大幅に抑制されていることが分かる。遮熱塗料による温度低減効果は正午前後において10〜15℃となった。また日没後においても1〜3℃の温度低減効果が確認できている。従って高反射率塗料は日射による蓄熱を軽減させる効果があると考えられる。また、同様に屋根裏温度においては19時前後に5〜7℃、吊り天井のある教室の室温でも2〜3℃の温度低減効果が確認できた。(文献4)による)

屋上表面温度および日射量

図6 屋上表面温度および日射量 2004年8月20日(換気なし)

この実測結果を基にシュミレーションされた結果では、東京都23区の屋根面を高反射率化することによる対流顕熱の低減量は、晴天日の場合、東京都23区で発生する夏期日の人工排熱量の57.2%に相当し、曇天日においても人工排熱量の11.8%に相当する。(文献5)による)
遮熱塗料による室温低減効果は、建物の構造、内部発熱量、換気量などによって違ってくるが、鋼板屋根(吊天井なし)で空調設備の無い場合での温度低減効果は高く、5〜10℃程度の室温低下が実測されている。
図7は近接している2棟の倉庫で、1棟の鋼板屋根に遮熱塗料を塗装し未塗装倉庫との比較をした例だが、室内温度差は約9℃を記録している。

社熱と量による室温低減

図7 遮熱塗料による室温低減

また、空調設備のある場合には屋根からの貫流熱量を低減することによって冷房負荷を削減することが可能となる。建物の構造、換気回数、内部発熱の状況により省エネ効果に違いがあるが、シュミレーションおよび実測結果では約15〜40%の冷房負荷削減が達成されている。従って、冷房に要するエネルギーを減少させ、空調機器の排熱も削減できることから、ヒートアイランド現象の緩和に役立つと考えられる。

6.2 舗装用

図8は、試験ヤードを構築し晴天下において表面温度を測定した結果である。遮熱塗料を塗装した明度N4.0の遮熱舗装と一般の密粒舗装の比較では、正午前後において14〜15℃の表面温度低減効果が確認できた。また、夜間においては遮熱舗装の方が畜熱量が少ないために約3℃温度が低くなっており、熱帯夜の緩和に役立つことが伺える。

遮熱性舗装は蒸発潜熱を利用する保水性舗装のように水を必要としないので、人為的な散水の必要がなく、また晴天が続く状況でも持続して温度低減効果を発揮でき、継続的にヒートアイランド緩和に役立つと考える。遮熱性舗装の実施例を写真2および写真3に示す。

舗装試験ヤードにおける温度測定結

図8 舗装試験ヤードにおける温度測定結

 

図9に示す施工実績のとおり、遮熱性舗装は平成14年から一般道路などへの適用が始まり、施工面積は着実に増えてきている。これには、国や東京都、大都市圏の地方自治体の切直的な取り組みが大きく影響しているが、反面、その環境問題の深刻さも伺い知れる。

遮熱性舗装の施工実績

図9 遮熱性舗装の施工実績 

7. 反射した日射はどこにゆくのか

地球規模での熱収支は、気象学の分野においてモデル化されており、図10は、日射を100%としたときの熱移動量を年間平均として%で示したものである。

ここで注目すべき点は、地表において反射した日射はほとんどが大気を通過して宇宙空間に放射されるのに対し、地表から放出される顕熱輸送や潜熱輸送、遠赤外線による長波放射については一旦大気中に熱として取り込まれ、長波放射として宇宙空間以外にも地表側へ再放射されることである。したがって、地表からの熱の放出が起因する大気温度の上昇を抑制するためには、地表面のアルベド(日射反射率)を高めて日射の地表への吸収を抑制し、地表面温度を低減して放出熱量を削減することが重要であると考える。

反射した太陽エネルギーが通行人を暑くさせるとの懸念があるが、京都市で行われたアンケート結果によると、歩道部において通行人の47%が涼しいと感じ、暑く感じる人は僅か3%に過ぎない。(文献7)による)

また、入射した太陽光は拡散反射するのではなく、再帰性反射をしていることが分かっており、反射光が周囲の建物に与える影響は軽微だと考えられる。(文献8)による)

地球規模での熱収支

図10 地球規模での熱収支 (文献6)を基に算出)

8. おわりに

遮熱塗料(高反射率塗料)の開発を始めて15余年になるが、当初は建築用の白色から始まったが調色タイプ(近赤外線を反射)が完成したことにより、白色以外の屋根用、道路用のみならず陸上競技場用にもその適用範囲が拡大している。

防衛関係施設では遮熱塗料による熱対策が効果的な建物・施設・装備が多数あると思われるが、当社の近赤外線を反射せしめる技術が予期せぬ分野で応用展開できる可能性を秘めているのではないかと期待される。

2008年9月にはJIS K 5602「塗膜の日射反射率の求め方」が制定され、世間での認知度も上がりつつあると実感しているが、次は遮熱塗料(高反射率塗料)の性能に関するJISが早期に策定されることが望まれる。

今後もヒートアイランド対策に微力ながら貢献できるように更なる技術革新を進めて行きたい。


  1. [参考文献]
  2. 1) 「高反射率塗料による省エネルギー効果および都市気温への影響」
    入交ほか 1999年 空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集
  3. 2)「遮熱性舗装による都市熱環境改善効果に関する考察」
    木内ほか 2004年 第25回日本道路会議講演会論文集
  4. 3)「遮熱性舗装の高性能化に関する研究」
    吉中ほか 2004年 第25回日本道路会議講演会論文集
  5. 4)「実測による高反射率塗料の遮熱性能に関する研究」
    大木ほか 2005年 日本建築学会学術講演会講演論文集
  6. 5)「実測による高反射率塗料の遮熱性能および都市気温への影響」
    米山ほか 2005 年武蔵工業大学卒業論文梗概集
  7. 6)土木学会舗装工学研究小委員会報告書2000
  8. 7)「都市環境に配慮した新舗装に係る共同研究について」
    星野ほか 2006年 第26回日本道路会議講演会論文集
  9. 8)「都市環境に配慮した新舗装に係る共同研究について」
    護摩堂ほか 2006年 第26回日本道路会議講演会論文集
  10. 9)「Standard Practice for Calculating Solar Reflectance Index of Horizontal and Low-Sloped Opaque Surface」ASTM E1980-1
]]>
10.実測による高反射率塗料の遮熱性能に関する研究 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis10/713/ Sun, 11 Jan 2015 14:00:24 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis10/713/ 続きを読む ]]> Field Measurement on Reduction of Solar Heat Gain by High Reflective Paint

  • 正社員 ◯ 大木 泰祐*1、OHKI Taisuke
  • 同 近藤 靖史*2、KONDO Yasushi
  • 非会員 光本 和宏*3、MITSUMOTO Kazuhiro

キーワード:高反射率塗料 遮熱性能 実測 クールルーフ

1 はじめに

建物外被の遮熱性能を向上させる方法のひとつに、日射反射率の高い塗料(以下、高反射率塗料と記す。図1を塗布し、建物外被が受ける日射熱量を軽減することが考えられる。本研究では実測により、灰色の高反射率塗料を塗布した屋根とコンクリートの屋根、一般塗料を塗布した屋根の熱性能を比較する。

図1 高反射塗料の概念図

 

対象建物概要および換気条件など

表1 対象建物概要および換気条件など

 

 

2 実測概要

2.1 対象建物

実測対象は、東京都立足立区の小学校(廃校)の屋上および最上階(3階)の教室とした 註1)

2.2 測定期間および測定ケース

写真1のように高反射率塗料を塗布した屋根 註2)、塗料なし(コンクリート面)の屋根、一般塗料を塗布 註3)した屋根の表面温度や屋根裏・教室内温度などを夏期に測定した。また、自然換気を行う場合と行わない場合の2ケースを比較した。既往の研究文1) 文2)では、白色・黒色の高反射率塗料を適用した場合について研究してきたが、本研究では灰色(N6)の塗料を用いた。高反射率塗料および一般塗料の分光反射率註4)を図2、表2に示す。

小学校屋上面

写真1 小学校屋上面

 

各塗料の分光反射率

図2 各塗料の分光反射率 註4)

 

画と量の分光反射率

表2 各塗料の分光反射率 註4)

2.3 測定項目および測定点

測定位置、測定項目および測定方法を表3に、また測定点を図3に示す。

測定位置概要

図3 測定位置概要 単位: mm

 

表3 測定項目、測定位置および測定方法

 

3 夏期実測の結果

日射量および外気温の値が比較的近い日を各測定ケースから1日ずつ選択し比較をする。検討に用いた測定日とその日の外界条件などを表4に示す。

測定代表日の外界条件

表4 測定代表日の外界条件註5)

3.1 屋根表面温度の比較

図4より、塗料なしのコンクリートの屋根面と比較して高反射率塗料を塗布した屋根面では温度上昇が大幅に抑制されている。一般塗料を塗布した屋根面の温度も若干低く抑えられているが、高反射塗料との温度差は正午前後において10〜15℃となる。また日没後はすべての測定点において温度が下降するが、高反射率塗料は塗料なしや一般塗料に比べ1〜3℃温度が低くなっている。このことから高反射率塗料には日射熱の蓄熱軽減効果があることが伺える。

屋上表面温度および日射量

図4 屋上表面温度および日射量

3.2 屋根裏表面温度の比較

屋根裏部分は高反射率塗料の有無の差が顕著であるが、図5より特に躯体表面温度においては、ピークにあたる19時前後など、高反射率塗料を塗布した教室のほうが5〜7℃低く抑えられている。屋根裏表面温度における換気の有無による差異はほとんどない。

屋根裏表面温度

図5 屋根裏表面温度註5)

3.3 教室空気温度の比較

図6より、塗料による空気温度の差異は最大で2〜3℃と比較的小さい。これは、測定空間が小学校の教室であったために、窓ガラス面が広く、窓からの日射熱吸収量が相対的に大きかったことが影響したと考えられる。換気時間帯(11時〜14時)における高反射率塗料を屋上面に塗布した教室の室内空気温度は、外気温に近づき、換気を終えた14時以降急激に上昇し、最高温度は換気の有無に関わらず、16時過ぎにみられる。その後日没までの間急激に下降するが、翌日までの温度変化は緩やかである。グローブ温度についてもほぼ同様の温度変化がみられたため、図は省略した。

教室の空気温度

図6 教室の空気温度註5)(ポールB FL+1100mm)

4 まとめ

本研究では、夏期実測から得られた測定データを基に灰色高反射率塗料の遮熱性能を検討した。高反射率塗料を塗布した場合、屋根表面温度は日中の晴天時で塗料なしの場合と一般塗料塗布の場合に比べ約10℃以上低くなった。また、日没後においても屋根裏表面温度に顕著な差が見られることから、高反射率塗料は日中において建物躯体への日射熱の蓄熱を低減する効果があると考えられる。


[謝辞]
本研究における実測を行うにあたり、NTTアドバンステクノロジ(株)、鹿島建設(株)技術研究所・大日本塗料(株)、(独)土木研究所・長島特殊塗料(株)・(株)NIPPOコーポレーション、長島特殊塗料(株)、ロンシール工業(株)(五十音順)の方々には、塗料を提供していただきました。また、東京都ならびに東京都足立区の関係者の方々、武蔵工業大学大学生米山明恵氏、永森智美氏(当時)には多大なる御協力を賜りました。ここに記して深く感謝の意を表します。

  1. [註訳]
  2. 註1) 実測対象建物の屋根には断熱材が使用されていない。このような場合、高反射率塗料の効果が現れやすい。
  3. 註2) 本実測では、塗料A〜Eの5種類の高反射率塗料(写真1参照)について測定を行った。屋上および最上階(3階)の各5教室の測定結果が得られているが、本報では代表塗料として塗料Bの実測結果を示している。
  4. 註3) 一般塗料は、ホームセンターなどで市販されている灰色の塗料を使用している。
  5. 註4) (財)建材試験センターで測定されたデータ(2004年9月)である。
  6. 註5) 外気温は実測データが直達日射の影響をやや受けていた為、実測場所の近隣で東京都環境局が観測しているMETROSデータを示した。
  1. [参考文献]
  2. 文1) 近藤・長澤・入交:高反射率塗料による日射熱負荷軽減とヒートアイランド現象緩和に関する研究:空気調和・衛生工学会論文集No.78(2000.7), pp15-24
  3. 文2) 近藤・長澤・大南:黒色高反射率塗料による住宅屋根の日射反射率の性能の向上:日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)D-2環境工学Ⅱ(2002.8), p117-118

*1武蔵工業大学大学院 修士課程 Graduate Student, Musashi Institute of Tachnology
*2武蔵工業大学 教授 博士(工学) Prof., Musashi Institute of Technology, Dr. Eng.
*3東京都環境局 修士(工学) Tokyo Metropolitan Government, Bureau of Environment, Mr Eng.

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9.実測による高反射率塗料の遮熱性能および都市気温への影響 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis9/707/ Sat, 10 Jan 2015 13:47:17 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis9/707/ 続きを読む ]]> 近藤研究室
0016126 米山 明恵
0116088 永森 智美

1 目的

建物外被の熱的性能を向上させる方法のひとつに、日射反射率の高い塗料(以下、高反射率塗料と記す)を塗布し、建物外被が受ける日射熱量を軽減することが考えられる(図1参照)。本研究では実測により、高反射率塗料の遮熱性能の観点から省エネルギー効果を検討する。また、高反射率塗料を建物外被に塗布したことにより日射吸収量が軽減し、都市部のヒートアイランド現象が暖和される可能性について検討する。

高反射率の概念図

図1 高反射率塗料の概念図

2 実測概要

2.1 対象建築物

実測対象は、東京都足立区にある小学校(廃校)の屋上と最上階(3階)の教室とした(表1、写真1参照)。

測定対象概要寸法

表1 測定対象概要寸法

 

小学校屋上

写真1 小学校屋上面

2.2 測定期間および測定ケース

表2、図2のように、性能の異なる高反射率塗料(5種類)塗布、塗料なし、一般塗料塗布の計7つの外被(屋上面)の状態について、夏期(2004年8月4日〜25日)における換気あり・換気なしの測定(表3参照)を行った。既往の研究では 文1) 文2) 白色、黒色の高反射率塗料を適用した場合について研究してきたが、本研究では灰色(N61))の塗料を用いた。各塗料の分光反射率を図3に示す。

測定塗料概要

表2 測定塗料概要 2)

 

換気方法

表3 換気方法

 

測定対象概要図

図2 測定対象概要図

 

図3 各塗料の分光反射率 2)

 

2.3 測定項目および測定点

測定位置、測定項目および測定方法を表4に、また測定点を図4に示す。

測定位置、測定項目および測定方法

表4 測定位置、測定項目および測定方法

 

測定位置概要

図4 測定位置概要 単位: mm

3 夏期実測の結果

日射量および外気温3) の値が比較的近い日を各測定ケースから1日ずつ選択し(図5参照)、比較検討する。比較に用いた測定日とその日の外界条件などを表5に示す。

(1) 屋根表面温度の比較
図6より、日射を直接受ける屋上表面は塗料なしの教室と比較して高反射率塗料を塗布した教室ではいずれも温度上昇が大幅に抑制されている。一般塗料でも若干低く抑えられてはいるが、高反射率塗料とは正午前後における温度差は10〜15℃となる。また日没後いずれの塗料も温度が下降するが、高反射率塗料は塗料なし・一般塗料に比べ1〜3℃温度を低くなっている。このことから高反射率塗料には日中の蓄熱軽減効果も伺える。

(2) 屋根裏表面温度の比較
屋根裏部分は高反射率塗料の有無の差が顕著であるが、図7より特に躯体表面温度においては温度上昇のピークにあたる19時前後など、高反射率塗料を塗布した教室のほうが5〜7℃低く抑えられている。屋根裏表面温度における換気の有無による差異はほとんどない。

(3) 教室空間温度の比較
図8より、塗料による空間温度の差異は最大でも2〜3℃と小さい。これは測定空間が小学校の教室であったために、窓ガラス面が広く、また小学校用のカーテンによる日射熱吸収が大きく、これらの影響が大きく現れたと考えられる。換気時間帯11〜14時における教室内空間温度(図8(a)参照)は各塗料とも外気温に近づき、換気を終えた14時以降急激に上昇し、ピークは換気の有無に関わらず16時過ぎに現れる。その後日没までの間に急激に下降するが、翌日までの温度変化は穏やかである。グローブ温度についてもほぼ同様の温度分布がみられたため図は省略する。
なお、教室空間温度では塗料なしよりも一般塗料を塗布した教室のほうが最高温度付近では高い値を取っている。これは測定教室の配置から、塗料なしは隣室塗料Eを塗布した教室の影響を受け、また、一般塗料を塗布した教室は左右塗料なしの教室に挟まれるかたちとなり同じく隣室の影響を受けたことが大きいと思われる。

外気温および日射量

図5 外気温および日射量3)

屋上表面温度

図6 屋上表面温度

 

測定代表日の外界条件

表5 測定代表日の外界条件3)

 

表6 代表日(曇天日)における外界条件 3)

 

屋根裏表面温度

図7 屋根裏表面温度

教室空間温度(ボールB FL+1100mm)

図8 教室空間温度(ボールB FL+1100mm)

4 日射熱負荷軽減とヒートアイランド緩和の検討

ここでは屋根面での熱収支を検討することにより、高反射率塗料を塗布した場合と塗布していない場合を下記の2点に着目して比較する。

①日射熱負荷:高反射率塗料の塗布によって、屋根からの日射熱負荷をどの程度軽減できるかを検討する。

②大気への顕熱放熱量:高反射率塗料を都市の建物屋根などに塗布した場合、都市部の日射吸収量が軽減し、ヒートアイランド現象が緩和される可能性がある。ここでは屋根面から大気への顕熱放熱量がどの程度減少するかを検討する。

4.1 検討概要

2章、3章で検討した屋根を対象として熱収支の検討を行う。表7に計算ケースを示す。高反射率塗料を塗布していない場合(Case1)と高反射率塗料を塗布した場合(Case2)の比較を行う。高反射率塗料を塗布していない場合(Case1)では、日射反射率Prを0.27、長波超放射率rsを0.96とし、高反射率塗料を塗布した場合(case2)では日射反射率ρrを0.52(灰色高反射率塗料)、長波長放射率rsを0.90とした。

計算ケース

表7 計算ケース

4.2 計算方法

(1) 屋根面における熱収支
図9に示す屋根面での放射収支式と熱収支式に基づいて検討する。計算式を表8,10に示す。まず、放射収支式から求められる正味放射受熱量(R)を求めた。その際、屋根面への入射日射量(J)、外気量(T)、屋根面温度(Ts)は測定値を用いた。次に熱収支式を検討した。熱収支式中の顕熱流(V)と潜熱流(LE)は測定結果を用いて表8中に示す式により推定した。また、屋根への伝導熱流(A)は熱収支式の残差として求めた。

晴天日(8月20日)および曇天日(2004年8月23日)の測定データを用いた。晴天日と曇天日の代表日として実測期間内で日積算日射量が最大・最小となる日5)をそれぞれ選んだ。図10に曇天日の外気温および日射量を示す。想定した計算条件を表9に示す。外部風速は気象庁発表6)のものを高度z=10mに換算した値を用いた。

(2) 都市内の建物屋根面からの顕熱放熱量
屋根面における熱収支の検討結果から、東京都の各地区(23区、新宿、世田谷、日本橋)の建物の屋根を高反射率化した場合、顕熱放熱量をどの程度低減できるかを検討した。東京都各地区内の建築物の屋根面に着目し、全屋根面がコンクリートであると想定した場合と灰色高反射率塗料を塗布した場合を比較する。この際、グロス建ぺい率 文6)、文7)、文8)を利用した。具体的には前述のCase1とCase2の屋根裏から大気へ放出する顕熱流量の差にグロス建ぺい率の割合を掛けて検討した。

図9 屋根面のエネルギー収支

 

屋根面における熱収支

表8 屋根面における熱収支 式 文3)、文4)、文5

 

計算条件

表9 計算条件(大気部の物性値等)

 

記号表

表10 記号表

 

外気温および日射量

図10 外気温3) および日射量(8月23日・曇天日)

4.3 計算結果

4.3.1 屋根面における熱収支
  • (1) 伝導熱流(A)
    図11の晴天日における伝導熱流(A)の変化から、日中屋根面が日射熱を吸収し、屋根面から建物内部へ熱が流入することがわかる。一方、夕方から朝方(16:00〜8:00頃)までは屋根内部から屋根表面へ熱が流出し、その結果屋根面から大気へ放熱している。また、日中はCase2(高反射率塗料を塗布)の方が屋根に吸収される熱量が少なく、また、夜間大気へ放出する熱量も少ない。すなわち、日射反射率の高いCase2は日中屋根に蓄えられた熱量が少ないため夜間に放出する熱量も少ない。図12の曇天日の結果ではCase1とCase2とも終日にわたって値が小さく、大きな差は見られない。
  • 屋根面から流入する熱負荷を表11に示す。この表では屋根面での熱収支の残差として求めた伝導熱流(A)と屋根の内外表面温度の測定値から求めた伝導熱流(A’)の双方による結果を示す。残差で求めた伝導熱流は晴天日のCase1が大きく、Case2の約1.3倍であった。このように、高反射率塗料を塗布した方が建物への熱負荷が小さくなる。曇天日ではCase1とCase2では差異がほとんどなく、値が小さかった。また、残差で求めた伝導熱流と測定値により求めた伝導熱流を比較すると、残差で求めた方は変動が大きい。これは、風速による測定値の変動が顕熱流に反映し、その結果、伝導熱流も変動した。一方、曇天日では残差で求めた伝導熱流の絶対値が小さい。これは蒸発量の影響であると考えられる。曇天日の代表日とした8月23日は少量の降雨(1日総降水量は3mm)があったため、このことを考慮すると潜熱流が増加し、伝導熱流が減少すると考えられる。しかし、今回の計算では潜熱流の値が小さく評価されている。

  • (2) 顕熱流(V)

    図11より、晴天日の日中Case1(コンクリート)は屋根面から大気に向かう長波放射(Le)が増加している、これはCase1(コンクリート)の方が日中屋根面の温度上昇が大きいためである。また、晴天日と曇天日を比較すると表12よりCase1とCase2の顕熱流放出量の差は非常に大きい。このことから、屋根面の日射反射率が顕熱流放出量へ与える影響が大きいことがわかる。また、日射量が増加する夏期晴天日の日中に高反射率塗料の影響が顕著に現れている。

  • 屋根面での熱収支の各要素

    図11 屋根面での熱収支の各要素(8月20日・晴天日)※1時間ごとの測定値を使用

     

    屋根面での熱収支の各要素

    図12 屋根面での熱収支の各要素(8月23日・曇天日)※1時間ごとの測定値を使用

     

    図13 測定値から推定した伝導熱流 (A')

      屋根面から建物への熱負荷

      表11 屋根面から建物への熱負荷(伝導熱流(A)のうち屋根から流入する熱に日積算値)

      屋根面から大気へ放出する各ケースの顕熱流量

      表12 屋根面から大気へ放出する各ケースの顕熱流量

    4.3.2 東京都の各地区における顕熱放熱量

    各地区の建物の屋根を高反射率化することによって大気へ放出する顕熱流がどの程度低減されるかを表13、表14に示す。東京都23区の屋根面を高反射率化することによる顕熱流の低減量は、晴天日の場合、東京都23区で発生する夏期日の人工排熱量の57.2%に相当し、曇天日においても、人工排熱量の11.8%に相当する。また、人工排熱量の全熱量は日本橋、新宿、世田谷の順で小さくなるが、各地区の人工排熱の特色を考慮すると、日射量が最も増加する日中に顕熱排出量の割合が大きい(夏期14時の値を参照した場合)文6)世田谷、日本橋、新宿の順に有効であると推定される。

    代表日の東京都区部別の顕熱流量比較

    表13 屋根の高反射化による顕熱流の低減

    屋根の高反射化による顕熱流の低減

    表14 代表日の東京都区部別の顕熱流量比較

    5. まとめ

    本研究では、夏期実測から得られた測定データをもとに5種類の灰色高反射率塗料の遮熱性能を検討した。また、熱収支式および放射収支式を使用して東京都の各地区を分析し、建物の屋根の高反射化が都市の熱環境へ与える影響について検討した。以下に得られた知見を示す。

    1. (1) 東京都足立区にある小学校の屋上に5種類の灰色高反射率塗料、塗料なし、一般塗料塗布の計7つの屋上面の状態について測定を行った。この結果、高反射率塗料を塗布した場合、屋根表面温度が日中の晴天時で約10℃一般塗料に比べ低くなった。また、日没後においても屋根裏表面温度に顕著な差が見られることから高反射率塗料による日中の日射熱の蓄熱を低減する効果が日没後にも現れたと考えられる。
    2. (2) 屋根面における熱収支の検討により、屋根を高反射化することによる日中の熱負荷軽減効果を確認した。また、日中の蓄熱の低減が日没後の建物躯体から大気への放射量を減少させることを確認した。また屋根から大気へ放出される顕熱流(V)についても屋根の日射反射率が大きく影響していることを確認した。
    3. (3) 都市地区別に建物の屋根を高反射化した場合を検討した。この結果、日射反射率が増加することにより、屋根面から大気へ放出する顕熱流量が減少することを確認した。また、各地の人工排熱量と比較した。

    [謝辞]
    本研究を進めるにあたり東京都環境局・光本和宏氏、武蔵工業大学技術員・長澤康弘氏に多大なご指導ご協力を賜りました。また同研究室研究生・阿部有希子氏、同大院生・大木泰祐氏には実測準備から細部に至るまで大変多くご助言を賜りました。ここに記して深く感謝の意を表します。

    1. [参考文献]
    2. 文1) 近藤、長澤、入交:高反射率塗料による日射熱負荷軽減とヒートアイランド現象緩和に関する研究:空気調和・衛生工学会論文集No.78(2000.7), pp15-24
    3. 文2) 近藤、長澤、大南:黒色高反射率塗料による住宅屋根の日射反射性能の向上・日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)D-2環境工学Ⅱ(2002.8), pp.117-118
    4. 文3) 近藤純正:地表面に近い大気の科学:東京大学出版会(2000.9)
    5. 文4) 近藤純正:水環境の気象学地表面の水収支・熱収支:朝倉書店(1994)
    6. 文5) 新建築学体系編集委員会:新建築体系8自然環境:彰国社 (1984)
    7. 文6) 足永、李、尹:顕熱潜熱の違いを考慮した東京23区における人工排熱の排出特性に関する研究:空気調和・衛生工学会論文集No.92(2004.1), pp121-130
    8. 文7) 泉、松山:東京都23区における屋根面積の実態把握と屋上緑化可能面積の推計:日本建築学会計画系論文集 No.581(2004.7)pp83-88
    9. 文8) 国都道府県市区町村別面積調査書:建設省国土地理院(1998〜2002)
    1. [注釈]
    2. 1 ) マンセル表色系における明度。理想的な白、黒を10、0としてその間を段階に分けて表したもの。
    3. 2 ) 東京都建材試験センターより提供された2004年9月測定データから。
    4. 3 ) 外気温は実測データが直達日射の影響を受けていたため、近隣の東京都足立区内某所における測定データ(METROS)で代用した。
    5. 4 ) 1分毎の値を積算した数値。
    6. 5 ) 日射量の差が最大で前日降雨なしおよび当日降雨なしまたは降雨が短時間の日を選定した。
    7. 6 ) 気象庁発表統計データより。観測所東京都管区(練馬)気象台:東京都練馬区豊玉上(風速計高さ7.9m)ゆえにZA=7.9m。
    8. 7 ) 東京都建材試験センターより提供された2004年測定データより夏期実測で使用した5種灰色塗料の平均を求めた数値。
    9. 8 ) 大気放射率は文4)p138における快晴時の水蒸気量少ないとき最大値の値を与えている。
    10. 9 )文4)p138における降水時の最小値を与えている。
    11. 10 ) 東京都足立区内で行った夏期実測で得られた日射量。
    12. 11 ) 主に大気中の水蒸気などの分子や微粒子などから地表面にくる長波長放射。
    13. 12 ) 東京都足立区内で行った下記実測で得られた屋上表面温度、高反射率塗料塗布の屋上表面温度は夏期実測で使用した灰色5種の平均を求めた数値。
    14. 13 ) 絶対湿度は空気の飽和絶対湿度表より夏期の近似式を導出し求めた。
      Xs=0.0397θ-0.6546θ+11.5285(15≤θ≤40)[g/kg]
    15. 14 ) 地表面の風速分布に対する空気学力的(流体力学的)粗度
    16. 15 ) 気象庁発表統計データより。観測所東京都管区気象台:東京都千代田区大手町。
    17. 16 ) 夏期日の平均で計算した数値
    18. 17 ) 日本橋は中央区の値を用いた。
    19. 18 ) 1時間毎の値を積算した数値。
    20. 19 ) 実測値を使用して以下の計算式より求めた。
      A’=(Ts-Tr)λ/d[W/㎡]
      Tr:屋根裏表面温度[K]、λ:熱伝達率[W/m・K]、d:スラブ厚[m]
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    8.緑化が建物熱負荷低減に及ぼす影響に関する研究 https://miracool.idosense.dev/thesis/thesis8/704/ Fri, 09 Jan 2015 13:46:01 +0000 http://test1.prog-ss.com/thesis/thesis8/704/ 続きを読む ]]> Study on Influence Thermal Load by Roof Planting

    その1 各種緑化部材による断熱効果

    Part 1. Effect of Insulation by Various Types of Planting Materials

    • 正会員 ◯ 寺野 真明*、TERANO Masaaki
    • 同 仲野 章生*、NAKANO Akio
    • 非会員 米田 さつき*、YONEDA Satsuki
    • 非会員 前田 龍一*、MAEDA Ryuichi
    • 非会員 入江 憲一**、IRIE Kenichi
    • 非会員 添田 実**、SOEDA Minoru

    キーワード:屋上緑化、植物材料、熱負荷、熱流、経済性、遠隔計測

    1. はじめに

    都市温暖化、都市型洪水の抑制など顕在化する都市環境問題に対する方策の一つとして屋上緑化への期待は大きい。しかしながら、その効果に関する定量的かつ経済的な評価はまだ十分とはいえない状況にある。本報告では特に建物熱負荷低減効果について、インターネットを利用した遠隔計測システムを開発、約1年間に渡るデータ収集を行い、検討を試みた結果を報告する。

    2. 実験概要

    実験は東京都内Kビル(地上36階地下3階、鉄骨造)2階東面テラス部にて実施した。同部はビルのエントランス部分にあたる。屋上部に相当するテラス部は、表面は磁器質タイル仕上げ(t=50mm)、躯体部は軽量コンクリート、防水層モルタルおよびコンクリート(t=360mm)からなる。ここに4種の実験区画(3.8m×3.8m)を設け、それぞれ芝、セダムなどの植栽、および日射成分中の長波長域を反射する特性を有する遮熱塗料を塗布した合板(t=12mm)を設置した。また比較参照のため表面に何も施さない区画(非植栽部)も設けた。実験設備の外観を図1に、図2に計測系の概略を示す。

    実験設備外観

    図-1 実験設備外観

     

    実験設備概略と計測項目・箇所

    図-2 実験設備概略と計測項目・箇所

    各区画中央部において躯体表面および階下天井裏にあたる躯体裏面の表面温度と熱流を計測した(図2)。計測にはT型熱電対および薄型熱流センサを用いた。以上に外気温度、天井裏空気温度を加え、平成14年8月から平成15年7月までの、約1年間にわたり計測を実施した。

    各センサから出力は10分間隔で計測し、データベースに蓄積した。インターネットを利用した計測システムにより、遠隔よりデータ取得、解析を可能とした。

    熱流は外部から流入する方向を正に、流出側を負にとり、特に躯体裏面から天井裏空気に伝達される各部熱流q2nについては以下式に基づいて算出した。

    ここで、t1は外気温度(℃)、t2,t3はそれぞれ躯体表面および裏面温度(℃)、t4は天井裏空気温度、q1,q2はそれぞれ躯体表面から流入および躯体表面から室内に流入する熱流(W/㎡)、hは総合熱伝達係数(W/㎡K)を示す。添字nは角区画特徴を示し、特にrefは非植栽部に関する値であることを示す添字である。

    3. 実験結果

    (1) 各部年間温度変動

    図3に夏期、冬期の代表的な各部躯体表面温度の日内変動を示す。夏期は非植栽部で50℃近くまで温度が上昇するが、 植栽部直下は25℃付近で常時安定している。遮熱塗料も植栽より変動は大きいが、温度上昇は35℃程度までに抑える効果が認められた。冬期は植栽部の温度が、5℃から20℃まで大きく変化する非植栽部に対し高温側で安定するとの結果が得られた。この際、遮熱塗料は非植栽部の半分程度の変動であった。

    躯体表面温度

    図-3 躯体表面温度(上:8/30〜31、下1/20〜21)

    図-4 は躯体裏面温度の日中の変動を示した図である。夏期、特に植栽部が非植栽部に対して低温側に維持され、断熱の効果が見られる。中間期ではこうした差は小さい。一方、冬期は植栽部の方が非植栽部より高温となり、暖房負荷の低減が期待できる。

    躯体表面温度

    図-4 躯体裏面温度(上:8/30〜31、下1/20〜21)

    (2) 植栽および遮熱塗料による断熱効果

    図5および6に各部温度と熱流をそれぞれ日中、夜間の2時間について平均化した結果を図示した。

    結果として芝などの植栽による断熱効果が年間を通じて大きく、空調負荷低減が期待できることがわかる。遮熱塗料については夏期においては日射を遮る効果が期待できるが、冬期には日射熱の授受が阻害される。

    さらに非植栽部においては躯体蓄熱によるものと思われる夜間室内への放熱が示された。この放熱は、就眠時の不快性や翌朝の空調立ち上げ時負荷の増大をもたらすと予想される。こうした影響の抑制についても緑化の経済性評価にあたっては考慮する必要があると思われる。

    ここで、躯体裏面での熱流は式(1)、(2)からの推定によるが、天井裏空気温度の影響が極めて大きい。にもかかわらず計測結果(図5)は各部躯体裏面温度の高低と整合性に欠け、推定には大きな誤差が伴うことがわかった。現在数値解析による補正を検討中であるが、原因としてダクトや吸込口位置および階下食堂街厨房からの発熱の影響が考えられる。

    天井裏空気温度

    図-5 天井裏空気温度(上:8/30〜31、下1/20〜21)

     

    図-6 各部の熱的状態 (冬期:8/30〜31)

     

    図-7 各部の熱的状態 (冬期:1/22〜23)

     

    5. まとめ

    本実験では既存ビルの屋上相当部分に緑化設備を設置、インターネットを利用した遠隔計測システムを開発し、長期間にわたり、熱的影響データを収集、蓄積した。
    現在も検討中であるが、現時点での結果として、芝、セダムなどの植栽が年間を通じて高い断熱効果を有し、長期的視点で評価を行う必要性が確認された。またこうした効果が土壌に起因する可能性も高いが、植物自身の効果についても別途検討する必要がある。遮熱塗料については特に夏期の日射を反射し、熱侵入を低減させる効果が確認された。植栽との比較についてはメンテナンス性などの視点も必要であろう。さらに総合的な評価にあたっては躯体蓄熱による影響も考慮する必要がある。今回これら効果の定量化とその経済的評価のために、居室内への熱侵入の推定を試みたが、精度などの問題点が明らかとなった。今後数値解析を併用し、さらに検討を深めて行く予定である。


    1. [参考文献]
    2. 1) 仙川、大橋:屋上緑化による、環境改善効果に関する研究第1報、空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集、pp1413-1416,2003
    3. 2) 角田、垣鍔:屋上緑化の熱的性能に関する研究(その1〜2)、日本建築学会大会学術講演梗概集、2002

    *松下電工株式会社 システム技術研究所 Matsushita Electric Works, Ltd.
    **三井不動産株式会社 Mitsui Fudosan Co.,Ltd.

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